Al Anderson / Al Anderson (1972)
2006年 05月 21日
彼の滋味溢れる朴訥な歌い口を引き立てるのは、NRBQ人脈を頼りにした手作り感覚が活かされた簡潔にして抑制の効いた演奏にほかなりません。
歌の題材としては恋愛や望郷など身近なものを取り扱いつつ、カントリーやR&B、ブルースを咀嚼しながらしなやかで泥臭いという実に豊潤な音世界を創り上げています。
まさにアメリカン・ロックの良心であると言えましょう。
彼の恰幅の良い体格に比例してどれもこれもおおらかで穏やかな全10曲でありまして、30分余りでさらりと聞くことが出来ます。
1997年にVivid Sound Corporationが世界に先駆けて初CD化を果たしたことについては、天晴れと言って差し支えないのではないでしょうか。