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Hey Ho Let's Go!


by chitlin
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Creation Soup Volume Two (1991)

 Creation Recordsがリリース100枚を遂げた記念、節目を機に発売されたレーベル初期を総括する編集盤の第2弾です。

Creation Soup Volume Two (1991)_e0038994_22395249.jpg

 これまでに発売されたシングル盤のAB面両曲がカタログ番号順に23曲も並べられています。勿論、今となっては大変貴重な音源に相違ありません。

 Rough Trade Recordsが躍進する1980年代半ばのイギリスのポスト・パンク/ニューウェイヴ以降のインディー・シーンのみならず、稚拙ではあるものの勢いに任せて思いの丈をぶちまけたうだつの上がらない七転八倒する若者たちの姿を切り取った1枚でもあります。

 冒頭を飾るのはグラスゴーの万年モラトリアム番長、The Pastelsの3曲です。意外と様々な音色が楽しいM1「Million Tears」を皮切りに、後年、幾度か再録音されているM3「Baby Honey」は執拗に同じコードを繰り返し攻め立てる呪術的な1曲といった具合にアルバムを残せなかった彼らの活躍を確認することが出来ます。
 M2「Surprise Me」が彼ら自身の名曲「Stay With Me 'Til Morning」にそっくりなのはご愛嬌ということでしょうか。

 個人的に本盤の最大の聞き所がPrimal ScreamのM13「It Happens」です。彼らのデビュー・シングル『All Fall Down』(1985)のB面曲です。
 The Byrdsの如く煌めく12弦リッケンバッカーの音色とシャッフルのリズムがBobby Gillespieの頼りない歌声を支え、夢見るようなメロディー・ラインを引き立てています。

 たった2分のこの楽曲が日常のしがらみやら苛立ち、焦燥感などのつまらぬことを一切合切洗い流してくれる訳です(←現実逃避というやつです)。 
 未だ現役、アルバム毎に異なる方向性を打ち出すことでファンを魅了していますが、個人的にはこの1曲で充分に満足です。何ものにも代え難く、結局、彼らのデビュー・アルバム『Sonic Flower Groove』(1987)すら売り飛ばしてしまう始末です。

 まるで素人の与太話のようにしか聞こえないSlaughter Joeと本来ならば収録されるべきThe Jesus And Mary Chainをなぞっただけにしか聞こえないMeat Whiplashが続く後半の流れはいただけません。

 そこでCreation Recordsの主宰であるAlan McGeeの懐刀、The Loftに救われます。M21「Time」の持つ鬱蒼としたやるせなさが聴く者の胸の内側を密やかにえぐり去って行きます。

 裏ジャケットに記載されたAlan McGeeからのメッセージを引用してみます。
 "本作は現在廃盤の初期Creationのシングル盤の全貌を捉えたシリーズの1枚。最初の20枚は二つ折りのスリーヴで、Joe Fosterと私が週に4回か5回は夜を徹して折っていたものだ。このシリーズは偏執狂的なCreationファンのためのもの。これでまた全部手に入るはずだ・・・もう手紙を送って寄越すな!"



 収録曲は以下の通りです。

 M1「Million Tears」The Pastels
 M2「Surprise Me」The Pastels
 M3「Baby Honey」The Pastels
 M4「Spiral Girl」X-Men
 M5「 Bad Girl」X-Men
 M6「One Charming Night」Les Zarjaz
 M7「My Baby Owns a Fallout Zone」Les Zarjaz
 M8「Up the Hill & Down the Slope」The Loft
 M9「Tuesday」The Loft
 M10「God Bless」The Bodines
 M11「Paradise」The Bodines
 M12「All Fall Down」Primal Scream
 M13「It Happens」Primal Scream
 M14「 What's Happening」Jasmine Minks
 M15「Black & Blue」Jasmine Minks
 M16「I'll Follow You Down」Slaughter Joe
 M17「Napalm Girl」Slaughter Joe
 M18「Don't Slip Up」Meat Whiplash
 M19「Here it Comes」Meat Whiplash
 M20「Lonely」The Loft
 M21「Time」The Loft
 M22「Surely Some of Joe's Blues」Slaughter Joe
 M23「Fall Apart」Slaughter Joe
by chitlin | 2006-06-16 22:47 | Pop/Rock