Hey Ho Let's Go!


by chitlin

Louis Barlow's Accoustic Sentridoh / Winning Losers: A Collection of Home Recordings (1994)

 4トラックのテープ・レコーダーを駆使しての自宅録音作品です。音質もそれなりです。

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 Sentridohとして4曲がカセットテープの形で既に発売されていたという、1989年から1993年までの間に録り貯めた音源をまとめた一番最初のアルバムです。メンバー間の不和からDinosaur Jr.を去ったLou Barlowが自身のSebadohでの活動の傍ら、しこしこと自宅録音に勤しんでいた時期でもあります。
 付け加えますと、本作はSonic YouthのSteve Shelly主宰のSmells Like Recordsから発売されました。

 単純にギターの弾き語りを収めたという訳ではなく、原始的ながらパーカッションや鍵盤などを重ねるといった具合で、随所に工夫の跡を窺えます。
 手短で、どれもこれも素描画のような手作り感覚に溢れつつ日常生活の中に転がる風景を感じさせる全10曲です。

 呼吸することと同じくらいに自然な生理として淡々と曲を書き上げ、俯き加減で訥々と歌うLou Barlowの姿が目に浮かびます。
 世紀末のアメリカで育ったX世代の持つ諦念が見え隠れする作品作りとでも言いましょうか。
 特に最後に置かれたM10「High School」の切なさには胸を締め付けられる思いです。

 これでしっかりと肉付けしてきちんとした環境で録音すれば、きらびやかなポップ・ソングとしてきっと完璧だろうなんて夢想させるほどに各楽曲の完成度には目を見張るものがあります。

 泉が湧き出るように創造力が豊かなLou Barlowは、1990年代半ばからはJohn Davisと組み、同様に自宅録音ユニットであるThe Folk Implosionとしても手作り作品を大量生産しています。
 また、2005年にはとうとうソロ名義で『Emoh』の発売を果たしました。すこぶる精力的に活動していることから分かる通り、このような才能が確実に息づいていることを嬉しく思います。
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by chitlin | 2006-06-18 18:42 | Pop/Rock