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by chitlin
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Cornelius / Sensuous (2006)

 5年ぶりの新作を発売したCornelius。風鈴のような柔らかな音色で始まり、そして終わる『Sensuous』(2006)をようやく聴きました。 

Cornelius / Sensuous (2006)_e0038994_025988.jpg

 一聴してポップ・ミュージックとしては抽象的な聞かせ方をしているのではと感じましたが、その実極めて意識的に音像を具現化し、尚かつ複雑に重なり合うはずの音数を削ぎ落とすことで聞き手への伝達を確実なものにしようという腐心の跡を見て取れます。

 両耳にくっきりとした音の輪郭が直接に飛び込んで来るという感覚を覚えました。
 聴取後の率直な印象として言えるのは、はっきりとした覚醒の状態へと持って行かれるということです。

 音の配置や組み立て、有機的な感触などについては前作『Point』(2001)を踏襲しつつも、はるかにすっきりと見通しの良い空間が形成されています。

 意外過ぎるアコースティック・ギターのみのM1「Sensuous」に続くのが小山田圭吾曰く“変態ファンク”のM2「Fit Song」。
 そして、第2弾シングル曲のM3「Breezin'」と畳み掛ける展開も常套手段に思えなくもないのですが、そこはやはり、上手く考え抜かれた流れの47分間を提示してくれます。

 M8「Omstart」では、来日公演のついでに遊びに来たKings of Covenienceのふたりが歌っているそうです。

 和田弘とマヒナスターズの三原さと志氏が他界した今となっては、最終曲のM12「Sleep Warm」Frank Sinatraがやけに胸に突き刺さって聞こえます。




 以下、完全に余談です。

 この『Sensuous』が届く以前、とあるインタビューを読み進める中で、件のM8「Omstart」に飛び入り参加した彼らことをキングオブコメディと早合点したことはここだけの話です。

Cornelius / Sensuous (2006)_e0038994_033677.jpg

 加齢のせいでしょうか。
by chitlin | 2006-11-08 00:03 | J-Pop