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by chitlin
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Gandalf / Gandalf (1969)

 何と言ってもジャケット・デザインからして妖しい雰囲気が溢れ出ているGandalfの同名アルバム、『Gandalf』(1969)をお送りします。

Gandalf / Gandalf (1969)_e0038994_0155.jpg

 最近、Sundazed Musicから『Gandalf 2』(2007)という未発表音源集が発売されたことから(←興味深いところなのですけれど未購入です)、改めて引っ張り出して参りました。

 サイケデリックの意匠が凝らされている一方で、剥き出しに晒されているかのような甘い感触も特徴的です。
 そのうえで時代がかった大袈裟な仕掛けも奏功し、思いがけずとも幽玄の美と言うべき趣きを堪能する羽目になります。
 また、殊更に歌声が情緒的ですらあります。

 自作曲がふたつだけという訳で本作はカヴァー曲だらけなのですが、その中にあってEden Abetz作のM7「Nature Boy」ではどうしようもない切なさが炸裂しています。

 最終曲であるM10「I Watch The Moon」の終盤において、キーボード類による畳みかけによって得られる浄化作用には堪えられないものがあります。

 大手のCapitol Recordsから発売されたのは1969年ながら、元々は1967年録音という訳でして、ここにもやはり『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』症候群が芽吹いていることは確実でしょう。

 それにしても、2年も寝かされてしまえば埋もれてしまうことですらあり得ることです。むしろ発売されただけでも今では喜ぶべきことかも知れません。

 全体的に音質が芳しくないものの、是非とも定評あるSundazed Music盤をお試しあれといったところです。
 
by chitlin | 2007-03-20 23:56 | Pop/Rock