Buffalo Springfield / Buffalo Springfield Again (1967)
2007年 08月 27日
今から40年も前の作品ということは、当時59歳の方々が白寿を迎える訳です。(←当たり前です)
振り幅が大きいというよりは引き出しが多いと言えるのかも知れません。
ある意味、1960年代のアメリカン・ロックを代表するアルバムとして成立していますし。
落ち着いた風合いが堪らなく渋いM3「Everydays」に続くM4「Expecting To Fly」がこれまた微睡みの白昼夢とも思えるような壮大なオーケストラを引き連れ、いつしか夢心地へと誘って行きます。
さすが、Jack Nitzscheが一枚噛んでいるだけのことはありますね。
そして、ついに一大絵巻のようにルーツ・ミュージックをも飲み込んだM5「Bluebird」にて聴き手としましては一旦、最高潮に達する訳です。
後半に入りましても小粒ながらきらりと光る楽曲が適切に置かれ、M9「Rock & Roll Woman」とM10「Broken Arrow」の波状攻撃に我々は成す術無く骨抜きにされるのです。
先の一大絵巻という言いがかりはこのM10「Broken Arrow」にこそ相応しいですね。
いちばんのお気に入りはM7「Sad Memory」だったりします。きっかり3分間の美しさにすっかり心が洗われる思いです。
これがRichie Furay作と来ていますよ。しかも、今回は自作曲で勝負と来ていますよ。こうなったら彼を断固、支持いたしますよ。
と思いきや、次のソウルフルなM8「Good Time Boy」までもがRichie Furay作なのです。
ホーンの音色も黒光りする演奏にこれはやはり振り幅が大きいなとはしゃいだ側から、歌っているのがドラマーのDewey Martinだと判りまして、何だか複雑な気持ちに。さすがにこんなに太くて黒い喉をRichie Furayが持ち合わせている訳がないなと納得してはみた訳です。
それにしても、ドラマーまでこんなに大活躍してみせるBuffalo Springfieldとは一体・・・。
♪「Expecting To Fly」Buffalo Springfield