Hey Ho Let's Go!


by chitlin
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 秋の夜長にしっとりとした気分に浸りたいのならばと、この『A Boy Full Of Thoughts』(1988)を選んでみました。

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 例によって目に飛び込んで来たジャケット・デザインに対して真っ先に一目惚れしてしまい、珍しく比較的に年代の新しいピアノ・トリオ作品のアナログ盤も即刻、購入と相成りました。

 刈上げられた襟足が眩しい少年の横顔から“子供”という通称で親しまれているそうです。

 Berndt Egerbladh(p)にとって初リーダー作の録音が1964年ということですからその経歴は古く、折り目正しくも貫禄たっぷりの演奏を目の当たりにすることになります。

 また、ピアノ・トリオという編成にして最小限の音数ですので、1988年録音であっても技術に左右されることも少ないために個人的に抵抗感も自然と和らぐ次第です。 

 折りからのヨーロピアン・ジャズの波が押し寄せる中にあって澤野工房が発掘を果たしたというこの1枚はスウェーデン産と言えど、それほど北欧云々を感じさせない気もします。

 Bill Evansの系譜にあるというBerndt Egerbladhのピアノは、なるほど粛々として端正な佇まいを醸し出すものの、表題曲のM1「A Boy Full Of Thoughts」を筆頭にどこか陰影に富んだ風情も特徴と言えます。

 彼自身による理知的な自作曲に加え、M2「What Is This Things Called Love」Cole Porter、M5「The Days Of Wine And Roses」Henry Manciniといったスタンダード2曲を含むほか、CD版には本編収録曲の文字通り別テイク2曲が更に追加されています。
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# by chitlin | 2006-11-01 00:46 | Jazz

お約束

 Googleの遊び心は相変わらずです。

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 ハロ・・・・・・

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# by chitlin | 2006-10-31 23:16 | 雑感
 何やら意味深なグループ名が印象的なThe Jesus And Mary Chain、兄弟喧嘩が解散にまで発展してしまったというグループです。

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 どれも1985年にCreation Recordsから発売されたシングル曲のM8「Never Understand」やM12「You Trip Me Up」、M1「Just Like Honey」を含む最初のアルバムがこの『Psychocandy』(1985)です。

 今から約20年前、CDがロング・ボックス仕様で販売されていた時分に手に入れた訳なのですが、とてもそんなに長い時間が経ってしまったとは思えないほどに新鮮な気持ちで接することが出来ます。

 甘く感傷的な旋律とそれに楯つくように耳をつんざくギターのフィードバック・ノイズ。

 地の底を這いずり回るかのような低い歌声。

 単純極まりないベース・ラインなどお構いなしにズンドコと打ち鳴らされるより一層単調なドラムス。

 現在でも珍しくカリスマ性を誇るPrimal ScreamのBobby Girespyがドラマーとして参加しています。
 1曲にだけドラム・マシンを使用したとのことですから、残りはすべて彼がスタンディング・ドラムを叩いていることになります。 

 ひとつひとつの要素は分かり易いのですが、それらが絶妙の混ざり具合を発揮するという完璧な方程式から弾き出される最上級のポップ・ミュージックが輪をかけて官能的かつ暴力的に仕上げられるという稀な例です。

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# by chitlin | 2006-10-29 23:53 | Pop/Rock
 シカゴ・ソウルの隆盛を体現した往年の大歌手、Jackie Wilsonの編集盤を採り上げてみます。
 これを買い求めたのもひとえに屈指のノーザン・ダンサー、M22「Your Love Keeps Lifting Me High And Higher」聞きたさでした。

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 古くは1950年代前半からBilly Ward & The Dominosの一員として活躍する大御所たる所以は歌って踊れるという芸能的な側面も大きいのでしょう。
 本来ならばSam CookeやRay Charles、James Brownといった名だたるソウル・ミュージックの巨人たちに伍する資質を備えていると思しきJackie Wilsonですが、知名度の点から言ってもほかの偉大な歌手たちの後塵を拝したままなのが実情のようです。

 流石にAce Records編纂だけありまして、The Dominos独立後の1950年代後半から1970年代前半にかけて在籍したBrunswick Records時代の音源がほぼ編年体で24曲も詰め込まれています。

 本盤の前半ではやはり時節柄でしょう、R&B然とした体裁に加えて独特の伸びやかで張りのある唱法が強く押し出されています。
 このR&B時代の初期における曲作りには後にMotown recordsを立ち上げる若き日のBerry Gordy Jr.も関わっていまして、大ヒットとなった大甘バラードM2「Lonely Teardrops」などが挙げられます。
 また、M8「Night」のように歌い上げ過ぎる嫌いもありまして、過剰なしつこさを感じてしまうほどですが、歌の巧さは天下一品です。

 1960年代半ば以降、明らかにバックトラックもJackie Wilson自身の歌にも変化を見て取れます。本盤ではM17「Whispers(Gettin' Louder)」(1966)に顕著です。
 特にこの楽曲でははち切れんばかりの歌を支える女声バック・ヴォーカルも奏功していますし、シカゴ・ソウル特有の軽やかさが芽吹いています。

 終盤で繰り広げられるR&Bの限界を打ち破りソウル・ミュージックへと昇華させたかのような、そんな歴史的現場に立ち会っているような場面には何かと逐一血が騒いでしまいます。
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# by chitlin | 2006-10-28 12:55 | Blues/R&B

古都

京都へ行って参りました。
日帰り出張です。
紅葉にはまだ早い訳ですが、快晴で気持ち良く過ごすことが出来ました。
情緒溢れる趣きが素晴らしいです。
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# by chitlin | 2006-10-26 18:37 | 雑感
 あまりにも溌剌としたガール・グループぶりが耳に突き刺さるThe Pixies Threeのパーティー・アルバム、その名も『Party With The Pixies Three』 (1964)です。
 『ジャケガイノススメ』という売り方をせずとも意義のある世界初CD化です。

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 1963年発売のM8「Birthday Party」をA面にしたシングルでレコード・デビューを果たした(B面は今回追加収録されたうちの1曲、M13「Our Love」)高校生3人組の刹那を封じ込めたこのアルバムには、その後の2枚目と3枚目のシングル曲も含まれています。

 最初の2枚のシングル盤の録音がフィラデルフィアの地で行われた縁でしょうか、このアルバムの録音には当時17歳だったというLeon Huffが曲書きと鍵盤で参加していると解説にあります。

 内容としては騒々しいことこのうえないガール・ポップの典型とも言えなくもないのですが、M1「Welcome To The Party」が幕開けを賑々しく飾り、本編最後のM12「After The Party」で乱痴気騒ぎの余韻と閑散とした雰囲気を漂わせるという立派なコンセプト・アルバムとして成立しています。

 追加収録曲の中には件の2枚目のシングル盤のA面曲であるところのM14「Cold Cold Winter」も含まれています。噂に違わず、「君は天然色」大滝詠一の元になったことが一目瞭然です。
 また、確かにPhil Spector風味云々にも頷けるところがあります。

 ブリティッシュ・インヴェイジョンがアメリカ全土で吹き荒れる最中にこの唯一のアルバムを残して芸能産業海の藻屑と消えたのでした。幸いにしてアルバムを制作することが出来ただけでも救われるというものです。
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# by chitlin | 2006-10-25 23:57 | Pop/Rock
 Som Livreの立ち上げから35周年を記念して大量に復刻されたという“Som Livre Masters”からの1枚、『Em Som Maior』(1965)です。
 詳細などまったく知らず、Sambrasa Trioと言うくらいですのでピアノ・トリオなのだろうなといった程度でした。

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 怖いもの見たさで再生してみますと、大胆過ぎるタム回しから始まるM1「Sambrasa」が首根っこを掴んで離そうとしません。

 ドラマーはAirto Moreira。その名前だけは知っています。そして、ピアノにはHermeto Paschoalが鎮座しつつも、M9「Joao Sem Braco」ではフルートを披露しています。

 息をつく間もなく一気に土俵際まで持って行かれます。そのまま怒濤のジャズ・ボサの連続にかんぬきに極められたまま寄り切られ、あわや土俵下に転落というある意味、非常に危険なブツです。

 とにもかくにも滅多矢鱈に最高の演奏が矢継ぎ早に繰り広げられている訳です。
 それがジャズ・サンバかジャズ・ボサなのか、はたまたジャズそのものなのかどうかなどどうでも宜しいと、そう納得させられます。 

 思いがけず終始、上手を取られっ放し、圧倒されっ放しの30分余りです。

 またしても興味本位で手を伸ばしてみましたら、珍しく見事に大当たりの1枚です。
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# by chitlin | 2006-10-24 00:14 | Brazil/Latin
 『Pet Sounds』(1966)発売30周年を記念した4枚組のボックス・セット『The Pet Sounds Sessions』(1997)の前フリとして発売されたのがこの7インチ・シングルです。

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 意外や意外、なぜかSub Pop Recordsからなのです。質の悪い冗談かとも思ってしまいましたが、 あのThe Beach BoysのレコードをあのSub Pop Recordsが発売するというのは、まさに青天の霹靂です。

 A面には正真正銘のステレオ版という新鮮な響きで以て迎え入れられる「I Just Wasn't Made For These Time(True Stereo)」を存分に堪能することが出来ます。

 B面の1曲目のM2「Wouldn't It Be Nice(Vocal Only)」は所謂Stack-O-Vocals版です。これまた目の覚める思いをさせられると同時に、人間の声の持つ魔力に酔いしれます。

 M3「Here Today(Session)」については、当然のことながら一発録りのバックトラックが収録されています。

 グループ内のいざこざが原因とされているようですが、結果的に大変貴重な音源満載の『The Pet Sounds Sessions』の発売延期の煽りを喰らってこのシングル盤は回収の憂き目に遭った訳です(チッ)。

 発売当時、完全に出遅れてはいましたが西新宿のとある輸入盤専門店に急行したところ、在庫は豊富だったようで手早く救出することが出来まして、事無きを得ました。

 そこは反骨精神の塊のような店舗ですので回収命令なんぞ屁の突っ張りにもならないことでしょう、パンクな姿勢は今も健在です。
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# by chitlin | 2006-10-22 00:07 | Pop/Rock

欧米かっ

 年末を見据えてにわかに忙しくしていた勤務先で先日、麗しの同僚から不意に話し掛けられました。

 「今月末ってハロウィンじゃん!」

 それはあまりにも唐突でした。
 突然過ぎて、頭の中は真っ白。半開きの口からはひと言も発せられませんでした。

 相手を間違えたことに気付いた彼女は顔を背けたものの、込み上げる笑いを抑えていました。

 当然、会話として成立しませんでした。

 以下、脳内の叫びです。


 “我が家には、ハロウィンなんちゅう風習なんぞないわーいっ!!”
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# by chitlin | 2006-10-21 23:51 | 雑感

シューベルト物語 (1993)

 本作は幻の名盤解放歌集*テイチク編に当たる『シューベルト物語』です。“名盤解放発売1周年記念”盤でもあります。

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 “すべての音盤はすべからくターンテーブル上(CDプレーヤー内)で平等に再生表現される権利を有する”

 この宣言通り、この世の果てに打ち捨てられた特異な歌謡曲の亡骸を掬い取るべく活動に勤しむ幻の名盤解放同盟。

 タンスの後ろの5円玉に手が届かないくらい業が深い歌謡曲の一大絵巻として彼らが丹精込めてまとめ上げた編集盤シリーズを採り上げて行きます。

 表題曲のM1「シューベルト物語」を“夜霧の一人通訳歌謡”とは上手く言ったもので、謎のPL学園英語教師であるニッキーが特異な世界を描いています。
 情緒感たっぷりの甘い調べに荘厳なストリングスもよく映えています。

 強烈なR&B歌謡として猛威を振るうM2「愛の絶唱」は、太子乱童のデビュー曲にして本作最大の目玉であると言えましょう。
 サビで突如猛り狂うファズる喉が全開するも、大サビにて何事もなかったかのように元の浪々とした歌唱に転じるという極めて破天荒な1曲です。

 のどかな任侠歌謡M3「モナリザ仁義」とは逆に深刻な内容に相反する颯爽とした社会派歌謡M4「公害ブルース」の場合、こんなにのどかでは困ります。

 話題騒然のM6「ダイナマイト・ロック」と来れば、出だしからオートバイのV8エンジン音が吹きすさび、カスタネットの音が軽快に打ち鳴らされることから大いに煽られます。
 ブラス隊とともに男気溢れる辰兄いの熱い想いがほとばしる切った張ったの爆走ロックです。

 M11「ほんのはずみさ」には、グレート宇野という名に釣り合わないほどに明朗な歌唱に独特のものがあります。“ほんのはずみさ すべてこの世の中は”などと歌われ、何やら形而上学的な臭いも充満しています。

 寝た子を起こすM12「男のマーチ」というけれんみのない男根讃歌以降、お色気歌謡がいくつか続きます。

 後に幻の名盤解放同盟によってまとめて解放された内田高子のM13「噂の恋」で聞ける堂に入った歌いっぷりには思わず舌鼓を打つほかありません。
 全身を舐め回されるような錯覚さえも頭をもたげて来るほどです。

 時アリサがM14「女のときめき」において、過剰な粘着質で以て男どもを一網打尽にしてしまうのに続き、イレーヌ和田の舌足らずぶりが発揮されるM15「DUBA LA BA LOU」という流れは本作の白眉です。

 また、同じくイレーヌ和田によるM16「愛のほのお」についてはラテンの要素がそうさせるのでしょうか、少々下品とも言えるガール・ポップとして胸を焦がしてくれます。

 佐久間浩二によるM17「暗い港」、さらにはM18「怨歌」となると絶望の淵でバケツを両手に立たさせれている気持ちになります。暗い、とにかく暗い内容を比較的朗らかに歌っていることが救いでしょうか。

 流石のテイチク・レコード音源集です。混沌とした中にもきらりと光る昭和歌謡のえげつなさ(←何のこっちゃ)が際立っています。

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# by chitlin | 2006-10-20 00:55 | J-Pop