Hey Ho Let's Go!


by chitlin
本作は幻の名盤解放同盟が世に問うた1枚目のアルバム、幻の名盤解放歌集*ビクター編の『渚の歓喜(エクスタシー)』です。

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 “すべての音盤はすべからくターンテーブル上(CDプレーヤー内)で平等に再生表現される権利を有する”

 この宣言通り、報われることなく打ち捨てられた特異な歌謡曲の亡骸を掬い取るべく活動に勤しむ幻の名盤解放同盟。
 怪しく蠢く業深き歌謡曲の一大絵巻として彼らが丹精込めてまとめ上げた編集盤シリーズを採り上げて行きます。

 本作は應蘭芳の5曲が軸に据えられています。
 ジャケット・デザインにあしらわれた彼女がその容姿の割には想像以上に耳元で甘く囁き通すという、さしずめ官能小説ならぬ官能歌謡といった具合です。
 小唄風のM11「青い靴のブルース」以外は囁きと喘ぎと悶えで成立していると言っても過言ではありません。

 本作にはまた、ムード歌謡が3曲織り込まれています。
 The Temptationsのあの有名曲「My Girl」のギターのフレーズをちゃっかり拝借したR&B調のM3「ヨコハマ物語」。
 正調ムードコーラスながら、こちらがどうしたのと訊きたくなるほど身体も気分も悪くなりそうなM7「どうしたの」。
 ファンキーで軽快なM12「恋の赤坂」は、サビで聞かせる伸びやかな歌唱が逆に空しさを増幅させます。

 凍り付くように絶望的な歌唱からは、やはり諦念が漂うM6「奇跡は起こらなかった」と最終電車にも乗り損ねそうな幸薄な人間模様が描かれた阿久悠作詞のM14「最終電車に乗る女」も聞き所です。この2曲には思わず落涙。

 個人的に最大の聞き物なのがM5「硬派銀次郎」です。
 この楽曲の台詞、歌詞など全編に渡って笑わせられます。本宮ひろ志の漫画を地で行く熱血漢が勘違いな啖呵を切って切り倒す訳です。
 そして、隠し味に使われるのはやはりクィーカなのです。

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# by chitlin | 2006-05-11 00:57 | J-Pop
 本日、出先にて滝川クリステルさんをお見かけしました。2度目です。

 いやはや、大変お美しい方です。立ち振る舞いも非常に麗しい。

 朝っぱらから転んで流血に見舞われ、遅刻しそうになったことなど、これで帳消しです(派手に転んだのは、高校3年生の時の徒競走以来)。

 帰社の際、傘に気を取られて財布を忘れ、取りに戻ったことも帳消しです(駅の改札口までやって来て初めて気付くことはしばしば)。

 さて、そろそろですね。
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# by chitlin | 2006-05-09 23:24 | 雑感

Deep Purple / Burn (1974)

 『紫の炎』という邦題と共に大有名曲M1「Burn」が大変印象深いアルバムです。

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 紙ジャケット仕様CDとして再発売されたため、今回初めてまともに聴く機会を得たのが新ヴォーカリストにDavid Coverdaleを据えた第3期の初っ端の本作です。

 Deep PurpleについてはRhino Records編集のベスト盤で済ませようと思いつつ放置していました。
 2004年の『レコードコレクターズ』4月号の特集記事を読むことで認識を改め、本作自体に興味を持つに至りました。勿論、『Burn 30th Anniversary Edition』に手を出すことなど出来ませんでした。

 さらに遡ってみますと共にDuran Duranを追い掛けていた中学生時代からの友人が高等学校に進学後、ハードロックやヘヴィメタルに首ったけになったことを知ってはいました。

 個人的にはまったく関心を持たずにいたものの、M1「Burn」の強烈なサビをいたるところで否応無しに聞くはめになるのは、21世紀に突入した現在でも変わりありません。

 早速、M1「Burn」を聴いてみます。

 スネア・ドラムの音にもう少し重量感が欲しいと感じました。
 しかしながら、このサビには当然のように血が騒ぎます。

 今一度、M1「Burn」を聴いてみます。

 二回目のサビの途中、“She Said, - Burn”の“Burn”のひと言に渋味があります。

 さらにM1「Burn」を聴いてみましょう。

 ブリッジの“You Know We Had No Time”という部分、David CoverdaleではなくてGlenn Hughesの歌声に男の色気を感じます。
 この曲はサビとこのブリッジとギターソロとキーボードソロとで成り立っているのですね。

 しつこくM1「Burn」を聴いてみます。

 ヘッドバンギングのせいで、軽く汗をかいてしまいました。爽快です。

 今度は歌詞カードを目で追いながらM1「Burn」を聴いてみましょう。

 思わず一緒になって歌い叫ばずにはいられません。快感です。
 しかしながら、歌詞カードが唾だらけです。

 やはりM1「Burn」を聴いてしまいます。

 何度聴いても飽きが来ません。

 そんな訳でM1「Burn」ばかり聴いています。
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# by chitlin | 2006-05-07 21:39 | Pop/Rock

左のハイキック

 ミルコ・クロ・コップ。32歳、格闘家。そして現職のクロアチア国会議員。

 ほぼ同世代です。

 主戦場をK-1からPRIDEに移した彼の入場テーマ曲と言えば、Duran Duranの「Wild Boys」(1984)です。何の臆面もなくこの楽曲を格闘技会場いっぱいに鳴り響かせています。

 Duran Duranと言えば、中学生時代の我がアイドルでした。何故に中坊の心を捉えたのか。

 平たく言うと仲の良い同級生が熱心に聴いていたことからその影響を受け、遊び仲間として付き合って行く上で欠かせないひとつの要素となってしまったからです。

 「Wild Boys」はアルバム未収録曲として遠い存在に思えました。

 小遣いの少ない中学生としては、貸しレコード店から効率良くLP盤を借りて来てはカセットテープに落とし、いそいそと返却に自転車を走らせていたからです。

 課外活動のThe Power Stationも追いつつ、中核メンバー3人による新生Duran Duranのコンサートをその友人と共に観に行ったこともありました。

 実際に一番好きだったのは「Save A Prayer」でしたが。

 十代も半ばを過ぎると本心から聴き続けたい音楽に出逢う機会を得ます。

 例えば、The Jesus And Mary Chainの『Psychocandy』(1985)です。ふとしたきっかけでロングボックス時代のCDを買い求め、加速度的にその虜になってしまいました。

 瞬時にDuran Duranの存在は過去のものとなり、しょっぱい思い出に変わり果てた訳です。

 ここ最近では、ミルコ選手のお陰で暗黒の中学生時代を生温かい目で見つめ直すことが出来るようになりました。
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# by chitlin | 2006-05-06 00:48 | 雑感
 待望の1枚、Spencer WigginsがGoldwax Recordsに吹き込んだ音源集です。鬼に笑われるでしょうが、ソウル・ミュージックの範疇では本年最大の復刻CDと言えます。

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 オリジナルの7インチ・シングルなぞとても追い掛けられませんので、Ace/Kent Recordsからの編集盤『The Goldwax Story Vol.1』(2001)にて初めて所属シンガー達の歌に触れたばかりの若輩者です。とは言え、瞬く間にGoldwax Recordsの強者達が持つ底知れぬ魔力に魅せられた訳です。

 James Carrの持つ器の大きさに対し、表現力豊かで伸びやかな喉を披露するSpencer Wigginsは、不思議とアルバム制作に漕ぎ着けなかったという悲運のシンガーです。

 解説文によると、残念なことにFame Recordsに売却された7曲の収録に許可が下りなかったそうです。結果的に、James Carrが歌った「Love Attack」という重要曲が抜け落ちている状態です。
 Ace/Kent Recordsとしては交渉を続けるとのことですから、是非とも今後に期待しましょう。

 以前に採り上げた『The Goldwax Recordings』The Ovations Featuring Louis Williamsと同様にVivid Sound Corporation原盤からのライセンス曲もねじ込まれています。そのM14「Who's Been Warming My Oven」などは、聴いていると堪えきれない気持ちになり胸が張り裂けそうになってしまいます。

 同様に歌い上げるM1「Once in a While (Is Better Than Never at All)」やM11・22「That's How Much I Love You」、M14「I Never Loved A Woman (The Way I Love You)」、M17「Uptight Good Woman」、M20「The Power Of A Woman」に痺れっ放しです。

 極めつけは、問答無用の鬼のようなジャンプ・ナンバーのM15「Soul City U.S.A.」。これに尽きます。

 収録曲すべてを聴き逃せない本作は、最高の歌と最高の演奏が最高の音質で封じ込まれたべらぼうなディープ・ソウルそのものです。
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# by chitlin | 2006-05-05 20:40 | Blues/R&B

Marc Benno / Minnows (1971)

 以前から気にはなっていたMarc Bennoの2作目『雑魚』です。毎度のことですが、紙ジャケット仕様CDという観点から購入してみました。相変わらず“初回完全限定生産”という文言に踊らされています。

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 本作に参加しているJesse Ed Davisの『Ululu』(1972)を先に聴いていたためか、スワンプ・ロックということで汗臭い音を勝手に想像していたのですが、意外と淡白な印象を受けあっさりと聴き進むことが出来ました。

 彼の歌声もそこはかとなく内省的な雰囲気です。スワンプ臭というよりも、むしろ繊細な一面を強く意識させてくれます。 

 何を置いてもN6「Good Times」の切なさが溢れる佇まいに胸が詰まりそうになります。

 また、ストリングスが入るM4「Speak Your Mind」やM9「Before I Go」の持つ物悲しさにはかえってシンガー・ソングライターとしての資質が浮き彫りになります。

 M3「Stone Cottage」やClarence White参加のM5「Back Down Home」などに聞かれるブルースそのものといった楽曲を通して、いかに彼がブルースに根ざしているかを窺い知ることが出来ます。

 3分未満ながら壮大な景色が目の前に広がるM10「Don't Let The Sun Go Down」が期待に違わぬ本作の最後を飾ります。

 Marc Benno自身もギターは勿論、ピアノやオルガンを操るのですが、以前に採り上げた『Howdy Moon』にしても本作にしてもバックを支える顔触れが本当に豪華です。
 先に挙げたJesse Ed Davis(g)を筆頭にJerry Mcgee(g)、Clarence White(g)、Bobby Womack(g)、Carl Radle(b)、Jerry Scheff(b)、Jim Keltner(ds)、Nick DeCaro(accordion)、Rita Coolidge(vo)といった具合です。
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# by chitlin | 2006-05-04 09:02 | Pop/Rock
 Bomba Recordsから興味深い復刻が開始されています。その名も『ボンバ・レコードのラテン・スペシャル・セレクション』です。

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 “オリジナルLPを忠実に再現した初回限定生産紙ジャケット仕様”に留まらず“本シリーズのための新マスタリング”は勿論、“世界初CD化、国内初CD化作品多数”という風に照準を絞った選盤ですから、厳しい懐具合を無駄に刺激するとは言え購買意欲を大変にそそられます。

 安易な乱発ならば各メーカー側には控えてもらいたいものですが、こうして“紙ジャケット仕様”に釣られる者がここに居ます。当方のような門外漢にとって、清く正しい丁寧な復刻作業を期待したいものです。

 件のシリーズの内から1940年代から活躍する偉大なるニューヨリカン、Charlie Palmieriのピアノが冴えるAtlantic Records原盤の『Latin Bugalu』を聴いてみました。

 激しくチャカポカと煽り立てるティンバレスを始めとする多種多様な打楽器で盛り上げる、熱血NYラテンの白眉です。

 鋭く切り込むラテン・ジャズのM1「Mambo Show」とM8「Clusters」がとにかく恐ろしく格好良い、としか言いようがありません。

 Stevie WonderのカヴァーのM2「Uptight (Everythin's Alright)」あり、『オールナイト・ニッポン』のテーマをブーガルーに料理したM4「Bitter Sweet」で深夜ラジオ世代を直撃するなど、痒いところに手が届く嬉しい構成でもあります。

 甘く淑女に迫る歌入りのM8「A Night To Remember」が熱を冷ますように最後を締めくくります。
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# by chitlin | 2006-05-03 23:40 | Brazil/Latin
 紙ジャケット仕様、初回5,000枚限定生産に釣られてしまった、だけではありません。

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Andwellaと改名してから2作目にあたる『People's People』(1971)が、イギリス盤のジャケット・デザインにして待望の公式CD化とのことです。

 初めて聴いた訳ですが、一聴してアメリカ南部の音楽への憧憬が手に取るように伝わって来きます。カナダ人メンバー4人にアメリカ人ひとりという編成のThe Bandと同様に所謂、イギリス人としてその胸の内に思い描いたアメリカ像というものを彼らなりに咲き匂わせています。

 想像以上に雄大な景色を想起させるのですが、端々に滋味が満ち溢れ出て温かみを感じさせる作品です。特に中心人物のDavid Lewisの歌声というのが何とも言い難くまろやかな塩梅です。

 押し出しの強いM1「She Taught Me To Love」と表題曲M9「People's People」ではDris Troyほかの効果的なバック・ヴォーカルがゴスペル風味を倍増させています。
 弾き語りでしっとりと聞かせるM3「The World Of Angelique」やM8「Lazy Days」からは全曲の詞曲を手掛けたDavid Lewisの力量がいかんなく発揮されています。

 不肖にして出自がまったく判らないのですが、本CDにはジャケット裏面に記載されていないM10「スクリーンの影に」という楽曲が収録されています。
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# by chitlin | 2006-04-29 22:22 | Pop/Rock
 不世出の無差別級女性ソウル・シンガー、Ruby Johnsonが1962年から1967年にかけて吹き込んだ全20曲です。
 『 I'll Run Your Heart Away』(1993)を聴いてみましょう。

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 Stax Records傘下のVolt Recordsに残した3枚分のシングル曲以外の14曲が未発表という事実に思わず溜め息を漏らしてしまいます。

 常に市場を意識し、時期を逸してしまったが故の良質な未発表音源が掃いて捨てるほどに存在するらしいMotown Recordsならいざ知らず。南部ローカルとは言え、あのソウル・シティ、メンフィスのお膝元に25年以上も漬け込まれていたとは、甚大なる損失だった断言出来ます。

 M3「Won't Be Long」のこ洒落た編曲に思わず胸を弾まさせる以外は、ブルースのM12「Need Your Love So Bad」、シングル曲のM19「When My Love Comes Down」を筆頭にじっくりと聞かせる重厚な内容に只ただ平伏すばかりです。

 迫力のM13「Come To Me My Darling」(別テイク)と徐々に馬力がかかるM14「Left Over Love」を迎え、背筋も伸びるM15「I'd Better Check On Myself」からM16「I'd Rather Fight Than Switch」という後半の流れに限らず、どれもこれも没にされた理由を到底理解することが出来ないほどです。

 重心が低く、若干塩辛い彼女の歌が胸に染み入ります。そのうえ、バックを務めるのはIsaac Hayes(p, org)が替わりに入ったThe MG'sとThe Mar-Kay Hornsという万全の布陣です。

 ソウル・ミュージックの世界には彼女のように半端ではない実力を持ちながらもアルバム制作はおろか、日の当たる道を歩めないでいたシンガーが沢山居るのでしょう。
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# by chitlin | 2006-04-28 00:44
 昨年、35年振りに新作を発売したというVashti Bunyanです。

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 伝説のシンガーと化した彼女が残したこの『Just Another Diamond Days』(1970)は、2000年にCD化されるまで30年も密かに語り継がれて来たという文字通りの秘宝です。

 動物に囲まれた場面が心を和ませる、見開き紙ジャケット仕様に相応しい彼女のこの1作目を先頃発売された日本盤CDで聴いてみました。

 消え入りそうな彼女のか細い歌声を耳にして先ず驚いてしまいました。時間やブリティッシュ・フォーク/トラッド云々を超えて、世の中にこのような混じりっけのない音楽が存在することに我が耳を疑いました。 

 淡々と綴られる最小限の伴奏が彼女の透明度の高い打ち震える声に寄り添い、ぎりぎりの所で柔らかく均衡を保っています。

 彼女自身はこの作品について、個人的な内容だから売れると思わなかったと懐述しています。

 それはさておき、これはもう彼女の手を離れて永久により多くの人々の胸に刻まれることになります。手を伸ばせば、すぐそこにある訳ですから。
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# by chitlin | 2006-04-26 01:34 | Pop/Rock