Hey Ho Let's Go!


by chitlin
 Sonny Clark(p)がより堅実な演奏を繰り広げる、Blue Note Records初のステレオ録音だというハードバップ作品です。
 では、『Sonny's Crib』(1957)を聴いてみましょう。

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 1957年7月録音の初リーダー作『Dial S For Sonny』の頃よりもSonny Clarkにはふたつの自作曲も含めて格段の成長の跡が見られます。
 脇を固める演者も以下の通り豪華で、演奏自体も非常に冴え渡ったものです。
 Donald Byrd(tp)、John Coltrane(ts)、Curtis Fuller(tb)、Paul Chambers(b)、Art Taylor(dr)。

 M1「With A Song In My Heart」では小気味よいリズムが疾走感を生み出し、幕開けに相応しい1曲です。
 M2「Speak Low」と同様にラテンのリズムが面白く、トランペットがいななくM5「News For Lulu」は勿論のこと、M3「Come Rain Or Come Shine」のしっとり感も格別です。

 Sonny ClarkとJohn Coltraneの共演は1957年9月1日録音の本作のみということです。
 言われてみれば、吹き倒してみせるJohn Coltraneにハードバップの枠組みを踏み越えようかという様子も窺えますが、若干浮き上がっている程度の印象です。
 彼がBlue Note Recordsに唯一残したリーダー作でありフロント3管編成の『Blue Train』が1957年9月15日録音ですから、何やら因縁めいています。

 手持ちのCDには3曲の別テイクが追加収録されています。その内の2曲によってステレオ録音の裏側を垣間見ることが出来ます。
 M1「With A Song In My Heart」のピアノ・ソロがM6のそれに、同様にM2「Speak Low」でのトランペットとピアノのソロがM7のそれぞれに差し替えられた訳です。
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# by chitlin | 2006-04-16 22:50 | Jazz
 Jane Fonda主演のSFお色気映画『Barbarella』(1968)のサウンドトラック盤です。

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 中学生時代の我がアイドルだったDuran Duranはこの映画の登場人物のDurand Durand博士にちなみグループ名を付けたそうです。
 また、The Monochrome SetのBidとLester Squareの好きな映画作品でもあることを知り、以前から関心を寄せていました。

 偶然にもサマー・オヴ・ラヴに符号するかのような、お気楽な楽曲の数々が並んでいます。特に歌入りのM1「Barbarella」やM6「Love, Love, Love, Drags Me Down」、M22「An Angel Is Love」などは言わばソフト・ロックの風合いです。

“エロ満載のスペース・ファンタジー”という触れ込みだけあって、音盤よりも画を楽しむことの方が得策であると感じていまいました。何しろこちらとしては下心満載ですから。
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# by chitlin | 2006-04-15 14:15 | Soundtracks

デジリマ

 The Beatlesの楽曲の配信計画を認める

 どうにもこうにも気になって仕方なかったものですから。

 どれほど確かなことなのか、いささか疑問ではありますが。

 Apple CorpsがThe Beatlesの全カタログのリマスタリング作業に取り組み始めたと伝えられています。

 >to accompany the downloads
 ただし、この件に対して不安を感じます。

 現在のところ、前提としてオンライン配信のみに留まるかのような塩梅です。 

 パッケージを含めたモノ(アナログ盤やCD)としての音楽作品に愛着を抱くという方々は決して少なくないはずです。

 もっとも、The Beatlesの作品が提供されるのなら、配信事業にとって大変有意義であることに間違いはないでしょう。
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# by chitlin | 2006-04-14 23:23 | 雑感
 Ike & Tina Turnerの長い活動歴の中において初期に当たるSue Records時代の1枚、『It's Gonna Work Out Fine』(1963)です。

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 そのSue Recordsからデビューして以来、既に5枚以上のアルバムを発売していたためか、作品の内容としては最も面白いのではないでしょうか。禍々しい猥雑な魅力を放つR&Bの連続です。

 Tina Turnerの歌声は力任せで灰汁が強いくせに、やはりまだまだ若々しさを感じさせます。溌剌としたコーラスを添えるThe Ikettsの面々も相当な弾け具合を見せています。

 M5「Tinaroo」やM11「This Man's Crazy」でのはちゃめちゃさには頼もしさを感じさせるような不安を煽られるような楽しさがあります。
 今にも掴み掛かって来そうな勢いのM10「Foolish」にも圧倒されてしまいます。

 残念ながら、表題曲M6「It's Gonna Work Out Fine」で絡む男性ヴォーカルについてはピーター・バラカン氏曰く、Ike Turner本人によるものではないとのことです。

 先日、Ace Recordsから『The UK Sue Label Story: Volume 4』という充実の編集盤が発売されました。是非ともIke & Tina Turnerの諸作も徹底的に復刻してもらいたいところです。

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# by chitlin | 2006-04-13 23:52 | Blues/R&B
 今となってはどういうきっかけで本作に出逢ったのかさえ思い出せませんが、もりばやしみほと近藤研二の2人組によるカヴァー曲集(M6を除く)、『カバのオツム』(1994)です。

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 M1「Moon River」はご存知、Henry Mancini作曲の『ティファニーで朝食を』のテーマ曲、M2「ポケットの中」はボ・ガンボスをカヴァーしたものです。

 レゲエに仕上げられたM3「そらそれ」は、伝説的とも呼ばれるじゃがたらのカヴァー曲です。終盤にかけての追い込み、畳み掛けて行く様子には胸が空きます。

 M5「嘲笑」は何とビートたけしが1993年にシングル発売した楽曲です。彼自身による歌詞が実に奥深い内容で、胸に突き刺さります。

 「嘲笑」
 星を見るのが好きだ
 夜空をみて 考えるのが
 何より楽しい
 百年前の人
 千年前の人
 一万年前の人
 百万年前の人
 いろんな人が見た星と
 ぼくらが今見る星と
 ほとんど変わりがない
 それがうれしい



 M6「僕でありたい」は本作中唯一となるハイポジの自作曲です。“全身全霊 僕でありたい”という根源的な希求を歌った生命力に満ち溢れた力強い1曲です。
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# by chitlin | 2006-04-12 01:15 | J-Pop
 先月、『ソフト・ロック・シリーズ第1弾』の1枚として再発売されたChad & Jeremyの『Of Cabbages And Kings』(1967)のジャケット・デザインにそっくりな彼らのベスト盤です。

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 Peter & Gordon同様、アメリカで人気を博したイギリス出身のフォーク・デュオの彼らがColumbia Recordsに在籍した1960年代後半の音源がまとめられています。

 件の『Of Cabbages And Kings』からは1曲も選ばれていませんが、辛うじてM「Rest In Peace」が45 Versionとして収録されています。
 果たして、この楽曲が見事にサイケデリアの萌芽を感じさせます。奇妙な語りと効果音から始まりオルガンも神々しく響き、シタールが挿し込まれ美しさに拍車をかけます。

 終盤のM16〜19にはGary Usher制作の『The Ark』(1968)からの楽曲が宛てがわれています。
 本来ならば端正で穏やかなフォーク・ロックが彼らの基本路線です。サマー・オヴ・ラヴという時流に乗った産物のためか、様々な楽器の音が幾重にも重ねられています。壮大な流れが抽出されていてちんまりと埋め込まれています。
 さぞかし華やかな景色を描き出すかと思いきや、しかしどこか陰鬱な印象を持たせます。

 最後に置かれたそこはかとなく上品さが薫るM20「Sister Marie」に続いては、『Of Cabbages And Kings』についてのラジオ・スポット広告を隠しトラックとして楽しめます。

 個人的に一番の聴き所がM9「When Your Love Has Gone」です。『Distant Shores』(1966)に収録されている、抑え目ながらも優雅な編曲に感傷的な旋律が何とも印象的です。
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# by chitlin | 2006-04-10 21:51 | Pop/Rock
 3枚のシングル盤のみを残したSoul Toronados。その両面を余すところなく収録したJazzman Records渾身の編集盤です。

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 追加収録のライヴ音源M7「Superbad」は勿論James Brownのカヴァー曲です。荒削りながらも黒光りする熱い模様が伝わって来ます。

 歌入りで尚かつ耳をつんざくようなギターソロが切り込むこのライヴ音源を別とすれば、シングル曲はどれもインストゥルメンタルにもかかわらず尺が短いというのが残念なのですが、すぐに頭から繰り返し聴き入ってしまいます。

 鉄壁のグルーヴを紡ぎ出すリズム隊の躍動感は勿論のこと、渦巻くオルガンの音色に身体が自然と火照ります。実に濃厚な味わいです。

 1969年当時、10代の少年たちが一晩で録音したとはにわかに信じ難い、どす黒い珠玉のファンク集です。
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# by chitlin | 2006-04-09 13:20 | Blues/R&B

スイーツ特集

 春の訪れと共に無事に新年度を迎えることが出来たことにちなみまして。

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 疲れた頭と身体を癒す甘いデザートの世界と思いきや。

 繊細かつ緻密な意匠を味わうには是非、こちらのサイトへどうぞ。
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# by chitlin | 2006-04-08 22:35 | 雑感
 ヒーローソングの雄、子門真人の黄盤を選んでみました。

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 思えば幼少の頃に「およげ!たいやきくん」のソノシートが自宅に転がっていたのが、最初の音楽体験に繋がる訳です。

 テレビ番組の映像制作のために別途録音された<TVサイズ主題歌集>というところが肝であり、1分程度で駆け抜ける、非常に小気味良い熱血ヒーローソングが時系列に48曲も収録されています。

 『仮面ライダー』(1971)の主題歌であるM1「レッツゴー!!ライダーキック」で幕を開けます。オルガンの感触がどこかJoe Meekの「Telster」(1962)に似ています。

 『仮面ライダーV3』(1973)の主題歌、M14「戦え!仮面ライダーV3」子門ヴァージョンは大変貴重な音源だそうですが、そんなことはお構いなしにダブルタイフーンです。

 その他『キカイダー01』や『電人ザボーガー』、『勇者ライディーン』の主題歌が耳に留まります。

 特に印象深いのは『科学忍者隊ガッチャマン』(1972)の主題歌、M7「ガッチャマンの歌」です。小林亜星作曲にして切れ味鋭いホーン、締まりの良いリズム、滑らかなストリングス。“地球は一つ”の連呼、“行けぇ"(歌詞2番)の雄叫び。最高です。

 ついでに『仮面ライダーアマゾン』(1974)の主題歌に関してはまったく記憶になかったのですが、意外なことにのっぴきならぬ格好良さです。

 彼の熱い歌唱は元々ファンキーこの上ないのですが、1970年代中盤に向かうに従いバックトラックも分厚くなります。同時代のブラック・ミュージックからの影響もそのままにワウワウ・ギターが16ビートを刻み続けます。

 Apple ComputerによるBoot Campの喧噪やThe Beatlesの『The Capitol Albums Vol.2』狂騒曲を横目で睨みつつ、懐かしさに浸ってみました。
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# by chitlin | 2006-04-06 23:57 | Soundtracks
 The Millenniumの『Begin』(1968)とつがいのように扱われる本作『Present Tense』(1967)も今回の『ソフト・ロック・シリーズ第1弾』の1枚として再発売されましたが、実際には真逆の成り立ちを呈していると言えます。

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 The Ballroomの発掘音源集『Preparing For The Millennium』(1998)にも収録されているCurt Boettcherが録り溜めたというデモ・テープにGary Usherがストリングスや様々な効果音などを重ねつつ、The MillenniumのメンバーやBruce Johnstonを起用して完成させたという曰く付きの作品です。

 Gary Usherはこの時期にThe Byrdsの『The Notorious Byrd Brothers』(1968)の制作も手掛けており、同様にサイケデリックの要素が強く打ち出されています。
 この辺りが『Begin』の持つ佇まいと趣を異にするところです。

 M7「My World Fell Down」などは今回、追加収録されたシングル・ヴァージョンと聴き比べる楽しさがあります。

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# by chitlin | 2006-04-04 23:58 | Pop/Rock