Hey Ho Let's Go!


by chitlin
 Som Livreの立ち上げから35周年を記念して大量に復刻されたという“Som Livre Masters”からの1枚、『Em Som Maior』(1965)です。
 詳細などまったく知らず、Sambrasa Trioと言うくらいですのでピアノ・トリオなのだろうなといった程度でした。

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 怖いもの見たさで再生してみますと、大胆過ぎるタム回しから始まるM1「Sambrasa」が首根っこを掴んで離そうとしません。

 ドラマーはAirto Moreira。その名前だけは知っています。そして、ピアノにはHermeto Paschoalが鎮座しつつも、M9「Joao Sem Braco」ではフルートを披露しています。

 息をつく間もなく一気に土俵際まで持って行かれます。そのまま怒濤のジャズ・ボサの連続にかんぬきに極められたまま寄り切られ、あわや土俵下に転落というある意味、非常に危険なブツです。

 とにもかくにも滅多矢鱈に最高の演奏が矢継ぎ早に繰り広げられている訳です。
 それがジャズ・サンバかジャズ・ボサなのか、はたまたジャズそのものなのかどうかなどどうでも宜しいと、そう納得させられます。 

 思いがけず終始、上手を取られっ放し、圧倒されっ放しの30分余りです。

 またしても興味本位で手を伸ばしてみましたら、珍しく見事に大当たりの1枚です。
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# by chitlin | 2006-10-24 00:14 | Brazil/Latin
 『Pet Sounds』(1966)発売30周年を記念した4枚組のボックス・セット『The Pet Sounds Sessions』(1997)の前フリとして発売されたのがこの7インチ・シングルです。

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 意外や意外、なぜかSub Pop Recordsからなのです。質の悪い冗談かとも思ってしまいましたが、 あのThe Beach BoysのレコードをあのSub Pop Recordsが発売するというのは、まさに青天の霹靂です。

 A面には正真正銘のステレオ版という新鮮な響きで以て迎え入れられる「I Just Wasn't Made For These Time(True Stereo)」を存分に堪能することが出来ます。

 B面の1曲目のM2「Wouldn't It Be Nice(Vocal Only)」は所謂Stack-O-Vocals版です。これまた目の覚める思いをさせられると同時に、人間の声の持つ魔力に酔いしれます。

 M3「Here Today(Session)」については、当然のことながら一発録りのバックトラックが収録されています。

 グループ内のいざこざが原因とされているようですが、結果的に大変貴重な音源満載の『The Pet Sounds Sessions』の発売延期の煽りを喰らってこのシングル盤は回収の憂き目に遭った訳です(チッ)。

 発売当時、完全に出遅れてはいましたが西新宿のとある輸入盤専門店に急行したところ、在庫は豊富だったようで手早く救出することが出来まして、事無きを得ました。

 そこは反骨精神の塊のような店舗ですので回収命令なんぞ屁の突っ張りにもならないことでしょう、パンクな姿勢は今も健在です。
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# by chitlin | 2006-10-22 00:07 | Pop/Rock

欧米かっ

 年末を見据えてにわかに忙しくしていた勤務先で先日、麗しの同僚から不意に話し掛けられました。

 「今月末ってハロウィンじゃん!」

 それはあまりにも唐突でした。
 突然過ぎて、頭の中は真っ白。半開きの口からはひと言も発せられませんでした。

 相手を間違えたことに気付いた彼女は顔を背けたものの、込み上げる笑いを抑えていました。

 当然、会話として成立しませんでした。

 以下、脳内の叫びです。


 “我が家には、ハロウィンなんちゅう風習なんぞないわーいっ!!”
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# by chitlin | 2006-10-21 23:51 | 雑感

シューベルト物語 (1993)

 本作は幻の名盤解放歌集*テイチク編に当たる『シューベルト物語』です。“名盤解放発売1周年記念”盤でもあります。

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 “すべての音盤はすべからくターンテーブル上(CDプレーヤー内)で平等に再生表現される権利を有する”

 この宣言通り、この世の果てに打ち捨てられた特異な歌謡曲の亡骸を掬い取るべく活動に勤しむ幻の名盤解放同盟。

 タンスの後ろの5円玉に手が届かないくらい業が深い歌謡曲の一大絵巻として彼らが丹精込めてまとめ上げた編集盤シリーズを採り上げて行きます。

 表題曲のM1「シューベルト物語」を“夜霧の一人通訳歌謡”とは上手く言ったもので、謎のPL学園英語教師であるニッキーが特異な世界を描いています。
 情緒感たっぷりの甘い調べに荘厳なストリングスもよく映えています。

 強烈なR&B歌謡として猛威を振るうM2「愛の絶唱」は、太子乱童のデビュー曲にして本作最大の目玉であると言えましょう。
 サビで突如猛り狂うファズる喉が全開するも、大サビにて何事もなかったかのように元の浪々とした歌唱に転じるという極めて破天荒な1曲です。

 のどかな任侠歌謡M3「モナリザ仁義」とは逆に深刻な内容に相反する颯爽とした社会派歌謡M4「公害ブルース」の場合、こんなにのどかでは困ります。

 話題騒然のM6「ダイナマイト・ロック」と来れば、出だしからオートバイのV8エンジン音が吹きすさび、カスタネットの音が軽快に打ち鳴らされることから大いに煽られます。
 ブラス隊とともに男気溢れる辰兄いの熱い想いがほとばしる切った張ったの爆走ロックです。

 M11「ほんのはずみさ」には、グレート宇野という名に釣り合わないほどに明朗な歌唱に独特のものがあります。“ほんのはずみさ すべてこの世の中は”などと歌われ、何やら形而上学的な臭いも充満しています。

 寝た子を起こすM12「男のマーチ」というけれんみのない男根讃歌以降、お色気歌謡がいくつか続きます。

 後に幻の名盤解放同盟によってまとめて解放された内田高子のM13「噂の恋」で聞ける堂に入った歌いっぷりには思わず舌鼓を打つほかありません。
 全身を舐め回されるような錯覚さえも頭をもたげて来るほどです。

 時アリサがM14「女のときめき」において、過剰な粘着質で以て男どもを一網打尽にしてしまうのに続き、イレーヌ和田の舌足らずぶりが発揮されるM15「DUBA LA BA LOU」という流れは本作の白眉です。

 また、同じくイレーヌ和田によるM16「愛のほのお」についてはラテンの要素がそうさせるのでしょうか、少々下品とも言えるガール・ポップとして胸を焦がしてくれます。

 佐久間浩二によるM17「暗い港」、さらにはM18「怨歌」となると絶望の淵でバケツを両手に立たさせれている気持ちになります。暗い、とにかく暗い内容を比較的朗らかに歌っていることが救いでしょうか。

 流石のテイチク・レコード音源集です。混沌とした中にもきらりと光る昭和歌謡のえげつなさ(←何のこっちゃ)が際立っています。

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# by chitlin | 2006-10-20 00:55 | J-Pop
 素晴らしい、ただひたすら素晴らしいアルバムです。
 ほかに言葉が見つかりません。Kenny Rankinの 『Silver Morning 』(1975)のことです。

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 こんなにも素晴らしい音楽があるなんて。
 そして、それを今の今まで知らなかったなんて。今になってこのようなことに直面するなんて、こんな想いに駆られるなんて。

 驚嘆の連続です。

 何なのでしょう、このM1「Silver Morning」の終盤での追い込みは。その壮大かつ怒濤のオーケストレイションに飲み込まれる思いです。こんな盛り上がりが待っているなんて。
 無論、ひら歌の部分から美しい旋律が紡がれています。

 M4「People Get Ready」Curtis MayfieldやM7「Penny Lane」The Beatles、M10「Birembau」Barden Powellを粋にカヴァーしています。 

 これだけではありません。カヴァー曲に限らず収録曲すべてにおいて洗練されています。
 M3「In The Name Of Love」、M9「Catfish」を始めとする自作曲が冴え渡っていることは言うまでもありません。

 残念なことに、折角のM6「Haven't We Met」の音質が芳しくないと感じられる場面がありますが。

 それはともかく、追加収録されたM11「Why Do Fools Fall In Love」Frankie Lymon & the Teenagersでさえ優雅な佇まいを見せています。

 凍えた心を溶かすような温かみのある歌声と華麗なスキャット。洒脱なギター捌きに優美な編曲の数々。聴けば聴くほどに味わいが増す懐の深さも驚異的です。

 それもそのはず、フォークやジャズ、ラテン、ボサ・ノヴァなどが絶妙に混ざり合い極上のポップミュージックとして昇華しています。

 本作『Silver Morning』の原盤の権利をKenny Rankin自身が手に入れたことによって、自主出版という形での初CD化であるそうです。
 これまでRhino Recordsから発売されているベスト盤すら聞いたことがありませんでした。

 一生モノです。
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# by chitlin | 2006-10-18 00:36 | Pop/Rock
 人間ジュークボックスとの誉れ高いSnooks Eaglinの編集盤を採り上げてみます。
 ギターの腕前も達人級なのは当然のこと、その歌声も非常に滋味溢れるものです。

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 この『The Complete Imperial Recordings』は発売された当時、話題となった人気のCD化シリーズ“Capitol Blues Collection”の1枚です。

 このシリーズには貴重な音源が満載の優れた編集盤は勿論、本盤と同様にファン垂涎の単独作品も揃っていたようです。その当時、R&Bに限らずブラック・ミュージック自体に触れ始めたばかりでしたので、今も何を買い逃したのかを判らずにいます。

 表題通り、Imperial Recordsに録音した全26曲が収録されています。売上としてはまったくと言って良いほど振るわなかったという彼にとって不遇の時代の作品群だそうです。

 ところが、今の耳で聴いてみましても、ほっこりとした温かな心持ちにしてくれる素敵な音楽そのものです。
 当時の市場や聴衆の反応がどれほど乏しかったのかとの懸念も吹き飛ぶ内容です。

 ことニューオーリンズR&Bに留まらない演奏を大いに楽しめ、そして秋の夜長にぴったりの時間を過ごすことが出来ます。
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# by chitlin | 2006-10-16 23:55 | Blues/R&B
 元々は北アイルランド出身で後にAndwellaと改名するグループ、Andwellas Dreamの デビュー作に当たるのがこの『Love And Poetry』(1969)です。

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 紫煙が燻り、サイケデリック色が極めて濃厚な趣向を凝らした理想的な1枚です。全13曲がDave Lewisの手による珠玉のポップ・ソングでもあります。これほどポップでなければ、CD化を切望されないでしょう。
 手持ちのCDはVinyl Japanによる紙ジャケット仕様なのですが、近々、別途CDが新装発売されるそうです。

 冒頭の憂いに満ち溢れたギターの旋律から一転、劇的な曲調そしてギター・ソロが哭きまくるこのM1「The Days Grew Longer For Love」1曲で彼らの音世界に放り込まれること請け合いです。

 以降、薄気味悪い出だしのM3「Lost A Number Found A King」を筆頭に、続くM4「Man Without A Name」やM5「Clockwork Man」ではアメリカ南部志向の土臭さを漂わせたりと様々な作風で以て聞き手を翻弄して行きます。

 ほかにもオルガンが特に大活躍するM6「Cocaine」 や陽だまりサイケデリック・ポップのM10「Midday Sun」と来て気品に満ちたM12「Felix」ではストリングスが華麗に舞い上がります。
 仕掛け満載のM11「Take My Road」にしても良い塩梅です。

 最後はしっとりとしたフォーキー、M13「Goodbye」が本盤を綺麗に纏めるといった具合です。

 ともすればセンス一発、アイディア勝負のような面がなきにしもあらずと感じられます。
 それ以上に美麗な彩りに胸を撃ち抜かれる始末です。

 滅多なことは言えませんが、本盤をしてブリティッシュ・サイケデリック・ロックの大傑作と敢えて呼ばせていただきます。

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# by chitlin | 2006-10-15 02:17 | Pop/Rock
 原作漫画すら手に取ったことがないくせに、10月16日放映開始のテレビドラマ『のだめ カンタービレ』が非常に気になります。

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 “クラシック音楽家の卵が集う音楽大学を舞台とした、いまだかつてない突き抜けた爆笑青春ラブコメディー”

 そうですか。若向けですね。



 “主演/上野樹里・玉木宏”

 おお、そうです!

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# by chitlin | 2006-10-14 00:36 | 雑感
 ある種、異様なジャケット・デザイン同様に妖しさ満点のグルーヴを身上としたニューヨークのラテン・ジャズ・ファンク集団、Harlem River Driveを採り上げてみます。

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 手持ちの日本盤CDは“Free Soul Collection”の一環として発売されたということで、なかなかに興味深くもあります。

 ニューヨーク・ラテンの巨匠、Eddie Palmieriのピアノを軸に猥雑な生命力が宿り、そして逆上せあがる極上のレア・グルーヴ作品です。

 兄であるCharlie Palmieriが奏でるオルガンもさることながら、こみ上げるように熱気溢れるJimmy Normanの歌も実に味わい深いものがあります。

 のっけからじわじわと責め立てる“テーマ・ソング”、M1「Harlem River Drive(Theme Song)」に続くM2「If(We Had Peace Today)」が醸し出す甘くもありほろ苦くもある洗練され具合には堪らないものがあります。

 腰が重く、十分に抑制の効いた長尺曲のM3「Idle Hands」から一転、厳かな精神世界を堪能することが出来るM4「Broken Home」という流れも見事なものです。

 最後を締めるM5「Seeds Of Life」の場合、手に汗握るどころの話ではなく、血湧き肉踊り汗が飛び散らんが如く躍動感漲るグルーヴに身をよじるほか術がありません。
 「Seeds Of Life」という表題が実に象徴的です。
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# by chitlin | 2006-10-13 22:49 | Brazil/Latin
 何と恐ろしいことにThe Goldbriarsのお蔵入り音源の数々が世界初CD化されてしまいました。

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 『Straight Ahead』(1964)に続く3枚目のアルバムのために用意したものが9曲分あったそうです。解散と同時に発売されたシングル盤のA面曲M9「June Bride Baby」とB面曲のM8「I'm Gonna Marry You」も含まれています。 

 そのほかの収録曲としては1作目の『The Goldbriars』(1964)と2作目の『Straight Ahead』制作時のアウトテイクである8曲と件の本編収録曲の別テイク4曲ということになります。

 第一印象としては、戸惑いを覚えてしまいました。件の『Straight Ahead』同様、収録曲はどれも溌剌としたポップな側面が一層肥大し、フォーク・グループからフォーク・ポップ・グループへの移行が必然であったのかも判然としません。

 しかしながら、果たしてコーラス・ワークの妙は健在にして鉄壁でありまして、さらに輪をかけたあまりにも高度で滑らかなハーモニー・ポップが眩しい限りです。

 FEN(現AFN)にて放送されていたとしても、何の違和感もなくすんなりと聴くことが出来たことでしょう。

 それまで3人編成だったところを6人へと人員を倍増させ、演奏もきっちりこなしつつ伝家の宝刀であるところのハーモニー・コーラスがさらに複雑になり、ポップさにも磨きがかけられています。
 ちなみに、ドラマーとして加入したRon Edgarなる人物は、The Millennium〜The Music Machineで活躍したというその人です。
 その結果、40年以上もの長い間放置されていたとはどうにもこうにも皮肉なことですが、今こうして陽の目を見た訳です。

 The Goldbriarsのこれらの音源をこの世に解き放つべく地道に努力を続けたDotti Holmbergの思いが報われたということでしょう。

 The BallroomThe Millennium、引いてはCurt Boettcher自身の活動の前史としての貴重な記録が、またひとつ揃ったという訳です。
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# by chitlin | 2006-10-12 00:50 | Pop/Rock