Hey Ho Let's Go!


by chitlin
 The Associationがヒットさせた「Windy」(1967)の作者として知られるRuthann Friedmanが奏でる、実に素晴らしいアコースティック・ギターの弾き語り作品でもある唯一のアルバムです。

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 一見、大変地味に感じられるのかも知れませんが、収録曲のほとんどが彼女自身の芯の通った清々しいギターと瑞々しくも儚い歌声のみで形作られているために、その存在感が輪をかけて際立っています。
 また、微かに漂うサイケデリックな風味に鼻腔が刺激されます。

 じっくりと耳を傾けてみますとソングライターとしての資質は言うまでもなく、純粋にフォークシンガーとしての並々ならぬ実力を存分に味わうことが出来る初CD化作品です。

 何かにつけてVashti Bunyanの名が引き合いに出されるようですが、それはお門違いな物言いなのではと感じます。それならばJoni Mitchellか、Judee Sill辺りの系譜の一端を成しているというのが妥当な線でしょう。

 Van Dyke Parks編曲というシングル曲M13「Carry On (Glittering Dancer)」が追加収録されています。
 Van Dyke Parks愛好家にとっては興味を大いにそそられるような奇天烈サイケデリック・ポップのため、本作からは明らかに浮き上がっていまして、個人的には蛇足にしか思えません。

 時たま、のっぴきならない復刻作品を発売するレーベル、Waterから今後も目が離せません。
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# by chitlin | 2006-06-15 22:41 | Pop/Rock
 二大オルガニストの巨匠が、がっぷりよつに組んでの白熱した双頭ライヴ盤です。

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 副題として“The Complete Concert Recorded Live At Paul's Mall, Boston 1973”とある通り、Jimmy McGriffとRichard Groove Holmesの丁々発止のせめぎ合いが70分以上に渡り延々と続く訳です。

 こうなると聴いてるこちらも体力勝負です。どうしたって自然と腰が浮き上がり血沸き肉躍る有り様です。

 只ひたすら大蛇のようにうねり、熱くて厚い漆黒の高気圧に巻き込まれること必至のコテコテのオルガン・ジャズの生バトルです←クドい!  

 10分に渡るM1「The Preacher's Tune」からとぐろを巻くようなグルーヴ感を腹一杯に喰らう羽目になります。
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# by chitlin | 2006-06-13 23:41 | Jazz
 思わずジャケット買いをしてしまった1枚です。
 二十歳前後の頃には何かにつけて、エサ箱の端から端まで隈無くアナログ盤をめくり続け、グッと来る見栄えの良いジャケット・デザインの7インチ・シングルを闇雲に拾い上げていたものでした。

 
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 幼年期に誰もが経験したでしょう、思い切り緊張した男児の面持ちが何とも言えないこのジャケット・デザインのシングル盤も当てずっぽうに買い求めた憶えがあります。

 実際のところ、Whirlpool Guest Houseの経歴や消息はおろか、このシングル盤だけしか知りません。

 A面の「Changing Face」について、演奏自体は確かに稚拙ではありますがなかなか上出来です。女性ヴォーカルも活躍する、翳りを湛えた当時のイギリスのギターポップらしさに好感を持てます。

 B面曲の「Jack Of All Trades」はと言うと若干、大袈裟な歌い回しが気になる程度でして、この7インチ・シングルに賭ける意気込みのほどを見守りたくなる塩梅です。
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# by chitlin | 2006-06-11 23:23 | Pop/Rock
 本作は幻の名盤解放歌集*テイチクお色気編に当たる『あなたと死にたい私』です。また、これは内田高子を大きく扱った1枚でもあります。

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 “すべての音盤はすべからくターンテーブル上(CDプレーヤー内)で平等に再生表現される権利を有する”

 この宣言通り、この世の果てに打ち捨てられた特異な歌謡曲の亡骸を掬い取るべく活動に勤しむ幻の名盤解放同盟。

  “世界はお色気のうっふんの“う”と“ふ”の間の“っ”にすぎない”というのもけだし、名言です。

 反則技すれすれの業が深い歌謡曲の一大絵巻として彼らが丹精込めてまとめ上げた編集盤シリーズを採り上げて行きます。

 まずは肝心の内田高子の『あなたと死にたい私』自体についてです。今の耳で聴いてみますと、解説にあるような“海綿体がほどよく膨らむ”などということは個人的になかった訳です。
 ネグリジェをステージ衣装としたことからネグリジェ歌手と呼ばれたものの、ピンク女優へと転落転身し結果的に映画の世界で人気を博したそうです。その引退直前のアルバム作品というのが本盤の核を成しています。

 流石にいくつか挟み込まれるナレーションは際どいものなのですが、それでも下半身に流れる血液を沸騰させる威力はなかったようです。

 これというのも最後に3曲固めて池玲子の楽曲が収録されているせいもあるのでしょう。むせ返るようなフェロモン歌謡の真骨頂を目の当たりにしてしまうとブランデーも薄味に聞こえます。
 決まり手は池玲子の諸差しから寄り切りならぬ豪快な吊り落としでしょう。

 "夜のワーグナー"こと藤本卓也作品を歌う岸ユキは、テレビ・ドラマ『サインはV』のキャプテン役を演じていたとのことです。お色気歌謡というよりガール・ポップという側面をも見て取れます。

 今をときめく梶芽衣子については、大野雄二作曲・編曲というレア・グルーヴ(?)に物騒な歌詞を乗せた2曲が収録されています。やさぐれた歌い口で情念を燃やし、凄みは勿論、貫禄も満点です。

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# by chitlin | 2006-06-10 22:43 | J-Pop
 1950年代から山ほどセッションをこなして来たR&Bテナーの大親分、King CurtisがThe Kingpinsを率いて繰り広げる熱いライブ盤を採り上げてみましょう。

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 Aretha Franklinの『Live At Fillmore West』(1971)において力強くバックアップする直前、即ち前座を務めた際の音源に当たります。

 圧巻なのは初っ端のM1「Memphis Soul Stew」です。料理に喩えたメンバー紹介と共に各楽器が徐々にグルーヴを織り成して行き、最後にKing Curtisが豪快にかますサキソフォンの咆哮も激しく強烈な1曲です。
 先日、完売となった『Don't Fight The Feeling: The Complete Aretha Franklin & King Curtis Live At Fillmore West』によって明らかになったように、実は最終曲として演奏されたものです。

 また、当時のThe Kingpinsのメンバーというのが強者揃いで、まさしく鳥肌ものです。

 Cornell Dupree (g)、Jerry Jemmott (b)、Bernard Purdie (dr)、 Truman Thomas (electric piano)、Pancho Morales(congas)、Billy Preston (org)、The Memphis Horns

 件の一連のステージにおいて「My Sweet Lord」を披露し、特別ゲストだったBilly Prestonが亡くなってしまいました。故人のご冥福をお祈りいたします。
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# by chitlin | 2006-06-09 00:38 | Blues/R&B

猿は猿を殺さない

 Corneliusのページが一新されています。

 まず、目に飛び込んでくるのが、8月23日に発売される新しいシングル『Music』の告知です。

 グリグリやっていると目眩に襲われます。


 また、 8月25日にはフリッパーズ・ギターの『Three Cheers For Our Side〜海に行くつもりじゃなかった』(1989)と『Camera Talk』(1990)の2枚が紙ジャケットCDとして再発売されるとのことです。
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# by chitlin | 2006-06-07 01:23 | 雑感

Chapterhouse / Whirlpool (1991)

 15年という歳月を経て再発売されたChapterhouseのデビュー・アルバム、『Whirlpool』です。3枚分のEPのB面曲が追加収録されました。

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 アルバイト代のほとんどをレコードの類いに注ぎ込んでいた学生時代に引き戻されてしまいます。

 店頭で偶然に掴んだ盤、目を皿のようにして雑誌を読み込んで選んだ盤などを根こそぎ買い漁っていた頃です。

 先のことなど考えもせず、待ち受ける就職氷河期に寝たふりをしてみせ、未来に思いを馳せることも拒み、制御されたフィードバック・ノイズをただひたすらに全身で浴びていた頃のことです。

 彼らのように気の遠くなるくらいに儚い音を紡ぎ出すグループに対して、モラトリアムに浸食された自分自身を投影することで日常をやり過ごしていました。

 Madchesterの一大潮流に乗れず、あるいはセカンド・サマー・オヴ・ラヴの季節に巡り会えなかった身にとってHappy Valleyに溺れることは容易かった訳です。

 ファンファーレが高らかに鳴らされるような出だしからゆっくりとダンス・ビートに身体を持って行かれるM2「Pearl」。
 繊細なリード・ヴォーカルに輪をかけるように、SlowdiveのRachel Goswellがバッキング・ヴォーカルで参加しています。ある種、この時代の幸福な出逢いを切り取った瞬間です。

 ここ数日、M1「Breather」を繰り返し聴いています。

 まったく飽きません。

 "Teenage lessons set me right, Taught me how to dream tonight."という一節に胸を詰まらせています。

 そのくせ、とっくの昔に元々のDedicated盤を売り払ってしまっていたことはここだけの話です。
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# by chitlin | 2006-06-03 23:23 | Pop/Rock

グ〜ちょこらんたん

 このコスモの燃えあがり方には凄まじいものがあります。
 http://www.youtube.com/watch?v=1nVlMg4TYLU&search=スプー


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確実にセブンセンシズに目覚めているはずです。


「よかった、描けて」・・・・・・しょうこ画伯の実に達成感に溢れたひと言ですね。
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# by chitlin | 2006-06-01 00:06 | 雑感
 「Just One Look」(1963)という楽曲を唯一ヒットさせたことで知られるR&Bシンガー、Doris Troy。そんな彼女がApple Corpsに残した1枚は、George Harrisonの『All Things Must Pass』(1970)絡みの人脈が総動員されたことから注目を集める作品です。

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 当然の如く、当時のイギリス人ミュージシャン達の指向性が如実に露になっています。そういった側面から聞かれることが多いのかも知れません。

 ゴスペル仕込みの歌い口を迎え撃つバックトラックの肌触りはスワンプ・ロック風味ですから微妙な取り合わせです。穿った見方をすれば、本場のソウル・ミュージックと比較して云々というよりむしろ独特のブリティッシュ・ソウルとして楽しめるのではないでしょうか。

 そのバックを務める顔触れというのが以下の通りに目も眩むような豪華なものです。

  Eric Clapton (g) 、Peter Frampton(g)、George Harrison (g、vo) 、Stephen Stills (g、vo)、Billy Preston (key、vo)、 Leon Russell(key)、Klaus Voorman (b) 、Ringo Starr (ds)、 Delaney And Bonnie Bramlett (vo)

 Doris Troy自身もさることながら、これらのミュージシャン達が入り乱れて曲書きにも参加していることからも目が離せません。

 また、Billy Prestonによるゴスペル・タッチの鍵盤捌きやM3「Give Me Back My Dynamite」などで聞けるEric Claptonによる閃きのあるギターの音色も耳を惹きます。

 シングル盤のB面に収録されたり未発表だった5曲の追加収録もそのままに紙ジャケット仕様として再発売されたCDです。
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# by chitlin | 2006-05-31 00:29 | Blues/R&B
 この度、Sundazed RecordsによってCD化された編集盤が日本制作特製紙ジャケット仕様にて発売されました。
 Bruce & Terryの『The Best Of Bruce & Terry』(1998)を聴いてみましょう。

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 The Rogues名義を含め、1963年から1966年までにTerry MelcherとBruce Johnstonのふたりが膝を突き合わせて創り上げたシングル曲と未発表曲がまとめられています。
 砂上の楼閣どころか、その充実ぶりを今日でも十分に楽しむことの出来る音源集です。

 典型的なサーフィン/ホットロッド・サウンドの様式に相俟ってそこはかとなく漂う品の良さが特徴です。

そんな中、Nick DeCaro作のM4「Carmen」(1964)やM5「Don't Run Away」(1966)、M12「Thank You Baby」(1965)の麗しさは特筆に値します。Bruce Johnstonの才能がしっかりと開花しています。

 また、ストリングスやハープが被せられたM16「Come Love」(1965)では雄大さをも醸し出しています。 

 Neil YoungやTeenage Fanclubだけでなく多くのミュージシャンがカヴァーしているM17「Four Strong Winds」(1965)でも美しいコーラス・ワークが活かされています。

 本CDは、『POP-sicle presents 60's サーフィン&ホット・ロッド・シリーズ』と銘打たれたシリーズ第一弾の内の1枚です。他にはBruce Johnstonのソロ作品『Surfin' 'Round The World』(1963)、The Rip Chordsの2作品などがあります。

 夏を先取りし、尚かつ第二弾へ続くという訳ですか。
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# by chitlin | 2006-05-29 00:53 | Pop/Rock