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Hey Ho Let's Go!


by chitlin
 6人組なのに“5人の友だち”というグループ名のDie Fünf Freundeによる5曲入りの7インチ・シングル、『In Dreißig Tagen Um Die Welt』(1991)です。

 
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 3連休の初っ端から、結構な陽気だというのに日頃の寝不足が祟りまして正午まで不貞寝をかましてしまうことも問題なのですけれど。

 音質はもとより演奏自体に大変問題があります。その演奏以上に男女ヴォーカルにも輪をかけて非常に問題があります。
 人によっては怒り出すのではないかと心配になってしまうくらいに歌が下手なのです。
 それが却って愛くるしいグループであると余計に感じさせてくれることも確かではあります。

 “彼女はオードリー・ヘプバーンに似ているんだ”と歌う割には物悲しい曲調のM1「Audrey Hepburn」で幕を開けます。
 その演奏力と合わせて、この時点から若干の不安が頭をよぎっては渦巻きます。

 続くM2「Das Kann Auch Ich」とM4「In 30 Tagen Um Die Welt」ではキーボードが効果的に挿し込まれトランペットが高らかに鳴り響くといった調子の、下手であることも含めて胸躍る完璧なギターポップです。
 特に表題曲のM4「In 30 Tagen Um Die Welt」では口笛やコーラスも活躍するために楽しさ倍増ですよ。

 残りは女の子ヴォーカルで短いながらも、またもや物悲しいM3「Petit Prince」に加えて物騒な表題のM5「Kill Them All」を織り交ぜるという心憎い構成によって聞き手のハートをがっちりと鷲掴み(!)という勝利の方程式をものにしているのです。

 ドイツ発、不滅のギターポップの登場です。でした。(←10年以上前に解散済みです)
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by chitlin | 2007-09-22 23:50 | Pop/Rock
 相変わらず録音状態も悪く音質は貧弱、演奏も歌も勿論(!)下手なのですけれど、愛しのFat Tulipsの数ある7インチEPの内の1枚、『Take Me Back To Heaven』(1991)のご紹介です。

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 公私共に色々と考えさせられる今日この頃。
 気晴らしに小さな黒い円盤が可愛らしくくるくると回転する様子を眺めてみるのも良いのかも知れません。

 Talulah Goshそのままと言いましょうか焼き直しと言いましょうか。それでも薄っぺらい感触は少なく、ひたむきささえ伝わって来るくらいなのです。

 彼らの音源について、決してダブらせないという不文律でもあるのでしょうか。
 そんな訳でシングル曲集が編まれることもなく、今では大変に貴重なこういった7インチEPたちのCD化すら為されていないという状況は残念なことです。

 たった1分余りではありますけれど、少し伏し目がちで切ないM2「Take Me Back To Heaven」が思いの外に好曲です。

 Virginiaとクレジットされた女性ヴォーカリストがハーモニーをつけているのですけれど、恐らく彼女こそMark DとConfettiを結成するVirginia Aeroplaneに違いありません。
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by chitlin | 2007-09-07 23:57 | Pop/Rock
 今回は久し振りにDaniel Johnstonについてご紹介いたします。何かと語られることの多い(気がします)『Speeding Motorcycle』(1990)です。
 SOLというワン・ショット契約のレーベルから発売された7インチ・シングルです。

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 このM1「Speeding Motorcycle」は、Yo La Tengoの簡潔な演奏に合わせてDaniel Johnstonが電話越しに歌を吹き込んだという伝説とも奇跡とも言えるセッションの賜物です。
 心なしか、いえ明らかに興奮しつつもYo La Tengoとの共演を楽しんでいる様子が伝わって来ますよ。

 そのYo La TengoやThe Pastelsなどがカヴァーしているお陰で随分と有名になっていますので、彼の代表曲と呼んでも差し支えないでしょう。
 もともとのM1「Speeding Motorcycle」自体は『Yip / Jump Music』(1989)に収録されています。

 B面のM2「Do You Really Love Me」は観客の声援なども生々しく紛れ込んでいるライヴ音源でして、ギターの弾き語りです。

 BMX Banditsが『Star Wars』(1992)の中でカヴァーし、現在でもライヴの場で演奏しているという名曲です。

 肝心のDaniel Johnstonによる弾き語りについてはテンポがずれて行きピッチは合っておらず、歌声も酷い有り様です。
 これを聞いて怒り出す方が居ても不思議ではありません。

 ですけれど。

 そんな彼の歌と演奏に観客たちは沸きに沸いています。
 それがなぜかと言えば答えは随分と簡単なのです。

 Daniel Johnston自身が作り上げた大切な歌を歌い出すその姿。
 止むに止まれずに吐き出される心のひだが言葉として発せられています。

 そして、感情の赴くままに紡ぎ出されるメロディー。
 それが幸運なことに非常に親しみ易く、一切の無駄がない美しいメロディーなのです。

 たったそれだけのことが観客を、聴き手を熱狂させるのです。

 Daniel Johnstonほど音楽に対して真摯に向き合っているミュージシャンは居ないのではないでしょうか。
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by chitlin | 2007-06-23 19:54 | Pop/Rock
 今回の『Wonder』(1991)はChoo Choo Trainの中心人物の1人であるRic Menckがリーダー格として歌とギターを担当したグループ、The Springfieldsの7インチ・シングルです。
 もともとがドラマーなのでドラムスも叩いているでしょうし、連れのPaul Chastainも勿論、参加しています。

 
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 The Springfieldsの代表曲と言うと同じくSarah Recordsに残した「Sunflower」(1988)ばかりが何かと取り沙汰されるんですが、断然好きなのがA面のM1「Wonder」なんですよ。

 1991年発売なのでChoo Choo TrainからVelvet Crushへとっくに移行している時期なんでしょう、きっと。当然、音にも反映されているので「Sunflower」と比べて筋肉質になって戻って来たなぁという感じです。
 そうは言っても細かいところ、例えばヴォーカル・ハーモニーなんかは良く練られていますし、曲の構成もひと捻り効いてます。

 B面のM2「Tomorrow Ends Today」は、結局レコード化されず仕舞いとなった初期Primal Screamのカヴァー曲だそうです。
 それはもう完全に『Sonic Flower Groove』(1987)の頃のサウンドを再現したような1曲なんです。あの甘ったるくて、そしてキラキラした感じがたちまち甦って来ますよ。
 ええ、『Sonic Flower Groove』を売り飛ばしてしまったことは確かですけれどね。(コラ
 あと、この“Tomorrow ends today”というフレーズが堪らなく素敵です。今日のようなショッパイ一日も明日が来れば何でもないやーい、てな感じで。

 それにしてもRic Menckたちが嬉々として演奏している様子が目に浮かびますね。Teenage Fanclubと同じで、好きなんだからとりあえず楽しんで演ってしまおうというようなスタンスなんじゃないかなと。好きです、そういうの。
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by chitlin | 2007-04-06 00:43 | Pop/Rock
 結局、Subway Organizationから発売されることがなかったというThe Soup Dragonsの7インチEP、『The Sun Is In The Sky EP』です。
 幻のファースト・シングルと呼ばれ、未CD化の4曲が収録されていましてポスター・スリーヴに包まれています。

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 未発売に終わったはずなのですけれども、流れ流されて西新宿の輸入盤専門店で売られているところを捕獲いたしました。
 実際には中心人物のSean Dickson自身がデッド・ストックを放出したとその当時の広告に掲載されていました。
 悲しいかな、希少盤の割には未だ店頭に残っております。

 BMX Banditsを抜けたSean Dicksonがこともあろうか同じBMX BanditsからJim McCullochを引き抜いて結成されたこのThe Soup Dragonsもある意味、スーパー・グループのひとつでしょう。
 ベーシストのSushil K. Dadeも2代目ドラマーのPaul Quinnもそれぞれの道で活躍している訳ですので。

 肝心の本盤の内容について、ギターポップの見本市のような全4曲です。ひどくキャッチーなメロディーを調子外れに歌う無邪気さが最大の持ち味です。

 編集盤『Hang - Ten!』(1987)に収録された既発のシングル曲に負けず劣らずエッジの効いたM1「Quite Content」、M2「Swirling Round The Garden With You」にM3「Fair's Fair」。

 鬼のようにポップです。

 M4「Not For Humbert」で聞けるヴァイオリンは、Josephとクレジットにある通りJoe McAlindenによるものでしょう。
 現在ではGreen Peppers名義で活動しているというJim McCullochと幼馴染みである縁もありますけれど、当時から重宝されていた訳です。

 値が張りましたけれども、それに見合う珠玉のEPと言えましょう。
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by chitlin | 2007-03-28 22:53 | Pop/Rock

Choo Choo Train / High (1988)

 現在でもVelvet Crushとして活動を続けるRic MenckとPaul Chastainの2人が中心となって1980年代後半に結成したのがChoo Choo Trainです。

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 これはジャケット・デザインがすこぶる麗しい2曲入りの7インチ・シングル、『High』(1988)です。
 イギリスのSubway Organizationに拾われて発売されたうちの1枚です。

 オルゴールの音色から始まる憎い演出のA面曲、M1「High」。Paul Chastainの発する切なさが入り交じった歌声に思わず胸が締め付けられてしまいます。
 清く正しく甘酸っぱい、ギターポップの鑑のような1曲です。

 M2「Wishing On A Star」も同様にポップ度の非常に高い1曲です。表題通りに夢見るような可愛らしさを併せ持った素敵なB面曲です。
 ギターの可憐なアルペジオが脇腹をくすぐるように響き渡ります。

 ジャケット・デザインがその内容に伴いつつ、これだけシングル盤として完成度の高いものには滅多にお目にかかれません。

 曲良し、歌良し、ジャケット良しの三拍子が揃った完全無欠の傑作シングルです。

 彼らは既にこの時点においてギター・ポップの名曲をモノにしていたのです。

 例えて言うのなら心のベストテン第1位、なのです。
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by chitlin | 2007-01-12 23:46 | Pop/Rock
 ちまちまと乱発してくれるお陰でもはや何枚目なのか不明なのですが、地道ながらもここまでやってくれると着実に胸に刻み付けられる訳です。 

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 以前に採り上げた盤と同様に今作もまた4曲入りの7インチEPと思いきや、M1「Catch Me By Surprise」とM2「Farewell...」の間にオルガンのみで奏でられる小曲がシークレット・トラックとして挟み込まれています。
 7インチ盤なのにA面に3曲、B面に2曲が収録されるという何となくお徳な1枚です。

 いくらか尺の長いM4「Nice Try」ではつんのめるスタンディング・ドラムも力強く轟く豪快さは相変わらずです。

 やはり、Fat Tulipsならではの特徴のひとつとして挙げられるのがこのスタンディング・ドラムでしょう。
 技術もへったくれもなく、最初から最後まで加減を知らない前のめりのビート感覚がグループを引っ張ったり突き放したりとやりたい放題です。

 ただし、今回は全体的にいくらか沈鬱な雰囲気を持つ1枚でもあります。
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by chitlin | 2006-11-09 23:50 | Pop/Rock
 『Pet Sounds』(1966)発売30周年を記念した4枚組のボックス・セット『The Pet Sounds Sessions』(1997)の前フリとして発売されたのがこの7インチ・シングルです。

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 意外や意外、なぜかSub Pop Recordsからなのです。質の悪い冗談かとも思ってしまいましたが、 あのThe Beach BoysのレコードをあのSub Pop Recordsが発売するというのは、まさに青天の霹靂です。

 A面には正真正銘のステレオ版という新鮮な響きで以て迎え入れられる「I Just Wasn't Made For These Time(True Stereo)」を存分に堪能することが出来ます。

 B面の1曲目のM2「Wouldn't It Be Nice(Vocal Only)」は所謂Stack-O-Vocals版です。これまた目の覚める思いをさせられると同時に、人間の声の持つ魔力に酔いしれます。

 M3「Here Today(Session)」については、当然のことながら一発録りのバックトラックが収録されています。

 グループ内のいざこざが原因とされているようですが、結果的に大変貴重な音源満載の『The Pet Sounds Sessions』の発売延期の煽りを喰らってこのシングル盤は回収の憂き目に遭った訳です(チッ)。

 発売当時、完全に出遅れてはいましたが西新宿のとある輸入盤専門店に急行したところ、在庫は豊富だったようで手早く救出することが出来まして、事無きを得ました。

 そこは反骨精神の塊のような店舗ですので回収命令なんぞ屁の突っ張りにもならないことでしょう、パンクな姿勢は今も健在です。
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by chitlin | 2006-10-22 00:07 | Pop/Rock

The Beatles / Something (1969)

 言わずと知れたThe Beatlesの最高傑作『Abby Road』(1969)から切られたシングル盤、『Something』。「Come Together」との両A面シングルとは言え、George Harrisonによる珠玉の作品、「Something」は彼にとって初のA面曲です。

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 今回のこの7インチのピクチャー・ディスクは1989年に発売されたものです。The Beatlesのレコード発売20周年記念として、20年後の1980年代に当時の発売順に沿って彼らのシングル盤をピクチャー仕様で発売して行くという企画であったとのことです。

 その翌年の1990年当時、一介の浪人生として予備校に通う毎日でした。その傍ら、息抜き代わりに『吉祥寺ロンロン』内で営業していた『Disc Inn 吉祥寺店』に頻繁に出没していました。
 勿論、手持ち資金もなく、厳密に言って学生でも社会人でもない半端な身分ですのでひたすら目の保養に励む程度が関の山でした。

 まだ、アナログ盤とCDが混在して売られていた時期でした。自らのその後の志向を鑑みるに、この店舗の品揃えにも影響を受けたと言えます。

 この『Something』については、単純な話なのです。既に発売されていたほかのピクチャー・ディスクのどれよりも画が優れていると感じたからです。『Abby Road』のジャケット写真そのままのB面に対してもお得感がありましたので、この1枚のみを買い求めた訳です。
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by chitlin | 2006-09-24 22:35 | Pop/Rock
 “Don't Stop Indie Pop!”などという文句も本来ならば甚だ稚拙なはずですが、Fat Tulipsの場合には内容が伴っているので逆に頼もしさを感じさせる4曲入りの7インチEPです。

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 弾ける女の子ヴォーカルに歯切れ良く掻き鳴らされるギターとなると、どうしてもTalulah Goshからの影響がちらつくのは致し方ないことでしょう。むしろ、Talulah Goshの後を追うギターバンドの中では健闘している方です。

 特徴的なのはまるで上手とは言えない歌とやはり小細工なしに突っ込むスタンディング・ドラムなのですが、何枚もある7インチEP、シングルの中で本盤がいちばんの輝きを放っているのではないのでしょうか。

 収録曲は皆、こじんまりとしたポップさ加減をいちいちまき散らし、ひとたび耳にすればこれがFat Tulipsの音だと分かる独自のギターポップ観を押し広めているほどです。

 M3「Embers」には逆回転ギター音を挿し込むなど、低予算なりに頑張りを見せています。
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by chitlin | 2006-09-06 00:13 | Pop/Rock