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Hey Ho Let's Go!


by chitlin
 The Beach Boysの問題作と言いますと、これはもう『Smiley Smile』(1967)にほかなりませんよね。
 非常に苦し紛れのアルバム作品、普通に考えれば果たして発売に値するか言わずもがなのような気がします。

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 今から40年も前の作品ということは、当時35歳の方々が75歳になる訳ですね。(←特に意味はございません)

 『Smile』の制作が頓挫してしまう以前から精神的に破綻してしまっていたであろうBrian Wilsonが想い描いた夢の残骸。
 惨めなくらいに痛ましい音の欠片が拾い集められ、無理矢理に飾り付けられた感触しか残りません。

 何をどうやってもヒット曲のM1「Heroes And Villains」とM6「Good Vibrations」に耳が向かうのは致し方ないところです。

 壮大な場面転換が見られる M1「Heroes And Villains」の大幅に整理整頓が行き届いた完成度の高さには目を見張るものがありますしね。
 確かに大好きな1曲です。

 誰もが認める完璧な傑作シングル、M6「Good Vibrations」と来れば何度聴いてもプログレッシヴ・ロックを超えたそのポケット・シンフォニーにうっとりするどころか度肝を抜かれること請け合いでしょう。
 実に素晴らしい不滅のポップ・ソングですね。

 あとはヴォーカル・グループとしてのThe Beach Boysを楽しむことが出来そうなM2「Vegetables」くらいしかめぼしいものないのですよ。

 そんな目詰まりを起こしたようなちぐはぐで不気味な収録曲の中にあって「Wind Chimes」と「Wonderful」などもまだましな方なのでしょう。

 面白がって聴けば、そりゃサイケデリック・ロックのひとつとして楽しむことが出来るのかも知れませんが、そうとも限らずに積極的に接することには億劫であるのは変わらないのです。
 極めて特殊な1枚ですね。

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by chitlin | 2007-09-29 23:45 | Pop/Rock

Pulp Surfin' (1995)

 喉元過ぎれば何とやら、がまったく通用しない一日でしたけれども先ほどは雨が。
 『Pulp Fiction』(1994)を未だに観たことがなければそのサウンドトラック盤も聞いたことがないのですけれど、『Pulp Surfin'』(1995)ならば持っているのです。

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 それでも件の映画を契機にDick Daleに対する認知度が格段に上がり、来日公演が実現したそうですし。
 雑誌でも採り上げられていたように、左利きであるにもかかわらず右利き用のギターを弦を張り替えずに弾き倒すという武勇伝に肝を冷やした憶えがあります。

 それでは本盤の購入動機は何なのかと言いますと、それはもうこの盗作まがいのジャケット写真としか答えられないというお粗末さなのですよ。
 実際にはそのはずでしたけれど、いかにも安直な表題に見合う選曲かと思いきや、なかなかどうして面白い内容ではあります。

 さすがは来る者を拒まずという姿勢を貫くDel-Fi Recordsです。
 大手のCapitol Recordsなんぞとは訳が違います。

  変わり種と言いましょうか妙ちくりんと言いましょうか、M3「Surfin' Mixup」(←Hip Hop?)ありM7「Bengazi」The Insect Surfers(←リヴァイヴァル・バンド?)ありでして。
 果ては最初期のFrank Zappa制作だというM8「Letter from Jeepers」までという振り幅の大きさです。

 ギター・インストゥルメンタルの古典中の古典、M14「Rumble」から1980年代辺りの音源も含まれていまして玉石混淆ぶりを発揮しております。

 聞きどころといたしましてはEddie DayのM4「 Ultimate Wave」などがありまして、これが意外とお気に入りですなのです。
 ギターの深いリヴァーブ音がどこかロマンティックな香りを漂わせています。

 どこぞの映画主題歌だというBrian Wilson関連のM6「In My Moondreams」がただのインストゥルメンタルなのは残念ですけれど、鮮度も高けりゃ激しさも抜群のM18「Misirlou(Live)」The Bobby Fuller Fourの演奏にはひとたまりもありません。

 掘り出し物にして非常に興味深いのが人呼んで筋金入りのヒッピー、Eden Ahbezによる摩訶不思議なM17「Full Moon」です。
 これを聴いてしまいますと単独盤を購入してじっくり耳を傾けてみたいと感じさせてくれます。 
 本当に気持ちが癒されます。

 本盤における最大の収穫は何と言ってもM16「Intoxica」The Centuriansです。
 何とも向こう見ずながら、珍しく厚みのある演奏に素っ頓狂な笑い声も響き、猥雑なガレージ・パンクの感覚が暴発しています。
 物凄く魅力的なグループですね。

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by chitlin | 2007-08-23 00:38 | Pop/Rock
 クリスマス・アルバムという代物はそれこそ掃いて捨てるほど数多く発売されて来たのでしょうけれど、The Beach Boysのこの『The Beach Boys' Christmas Album』(1964)こそその最高峰と呼ぶことの出来る1枚でしょう。

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 お盆にメリー・クリスマス!、と言うのには不謹慎ではありますけれど。
 誰も彼もが浮き足立つ肝心のクリスマス・シーズンとなると書き入れ時ですので、勤務先にて丁稚の如く労働している訳なのです。
 そうであれば、今のうちなら話が早いと考えまして。(←何が?)

 The Beach Boysにとっての1964年と言いますと、本作のほかに『Shut Down Vol.2』に『All Summer Long』、『The Beach Boys Concert』とシングル盤さながらの勢いで以て、立て続けにアルバムを発売しております。

 アイドル・グループとして扱われながらもこれだけの質量を極めるとはまさにBrian Wilsonの神懸かり的な才能の成せる業でしょう。
 しかも、当のBrian Wilsonは結婚生活まで始めているくらいなのです。

 A面に当たる前半で聴くことの出来るサーフ風味のクリスマス・ソングの快活さは書き下ろしならではの鮮度を誇る反面、B面に当たる麗しいスタンダード曲群でのオーケストラとの共演が多分にその後の創作活動に影響を与えたのというのは想像に難くない訳です。

 何しろ、翌1965年には『The Beach Boys Today!』と『Summer Days(And Summer Nights)』といった作品をものにするのですから何をか言わんやであります。

 シングル曲のM1「Little Saint Nick」が「Little Deuce Coupe」を元に作られているのはご愛嬌としましても、そのB面曲のM14「The Lord's Prayer」の美しさには打ちのめされるほか術がありません。
 現在、入手し易い『The Ultimate Christmas Collection』(1998)には収録されていないのが大変に残念です。

 フル・オーケストラと拮抗する彼らのコーラス・ワークを堪能した後、アルバム本編の最後を美しく締めくくるのがア・カペラのM12「Auld Lang Syne」です。
 終盤にDennis Wilsonによる語りが挿し込まれていまして、これがまた心憎い演出なのですよ。

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by chitlin | 2007-08-14 00:17 | Pop/Rock
 先日の『Monster Summer Hits Wild Surf』(1991)の姉妹盤、『Monster Summer Hits Drag City』(1991)を聴いてみました。
 これまた悪趣味とも言えるジャケット・デザインを好きにはなれませんけれども。

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 自動車という対象がはっきりしている割には、ホットロッドものと言いますとサーフ・ソングよりも不得手でして。『とばすぜ ハイウェイ』などという看板に偽りありという話があるとかないとか。
 そんな訳で軽快なホットロッド、全26曲が輪をかけて軽快に過ぎ去って行くのです。

 本盤にもThe Beach BoysやJan & Deanは当然のこと、実力派のJerry Cole & His SpacemenにこれまたGary Usherでお馴染みのThe Super Stocksが収録されています。

 15年も前のことですけれど、いちばん興味深かったのはThe GantsのM7「Road Runner」でした。現在では、The Super Stocksと同様にSundazed Musicより単独編集盤が2種も発売されているくらいです。

 M7「Road Runner」は勿論、Bo Diddleyをカヴァーしたもので、ある意味ブリティッシュ・インヴェイジョン経由の歪な経緯を辿っている訳ではありますけれど、正調ガレージ・バンド然とした佇まいが堪りません。
 そんなやさぐれた青春の輝きに加え、ホットロッドらしい効果音が疾走感を倍増させています。

 あとは、ずっと聴きたいと思っていましたホットロッドの定番にしてJan & Deanを代表するM8「Dead Man's Curve」が収録されていることに素直に喜びましたね。
 今では当ブログ、『とばすぜ ハイウェイ』の裏テーマ曲として君臨しております。

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by chitlin | 2007-08-05 07:43 | Pop/Rock
 夏にちなみまして『Monster Summer Hits Wild Surf』(1991)というオムニバス盤を聴いてみました。
 ホットロッド関連で著名なRat Finkを連想させるジャケット・デザインを好きにはなれませんけれど仕方ありませんね。

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 サーフィン/ホットロッドと言いますと世界中に愛好家がはびこっておられますけれど、本盤はいかにも私、chitlinのような初心者に向けて編まれたとは思えない内容でした。

 The Beach BoysやJan & Deanなどの有名どころの有名曲が収録されているのは順当としましても、件のRat Finkの生みの親が関わったMr. Gasser & The Weirdosやらが収録されているほか、世界で最も有名な覆面グループ、The Super StocksがGary Usherの功績を物語っています。

 それ以外ではThe Sunrays、The Fantastic BaggiesやBrian Wilson絡みのThe Honeysが目を惹きます。
 15年も前のことですけれど、どれも噂だけは耳にしていましたし特にThe Fantastic Baggiesについては単独盤など望むべくもなかったものですから。

 The HoneysのM8「Shoot The Curl」(1963)などは抜群の可愛らしさです。
 まさに海辺のガール・ポップ、塩っぱいのに甘酸っぱいのです。

 いちばん嬉しいのはヴォーカル・グループ、The RivingtonsがヒットさせたM15「Papa-Oom-Mow-Mow」(1962)の収録ですね。

 海のないミネソタ州出身のThe Trashmenがさらに大ヒットさせたM11「Surfin' Bird」(1963)を初めて聴いたのは最強のニューヨーク・パンク、Ramonesが残した最強のライヴ盤『It's Alive!』(1978)でのことでした。
 これがまた超絶カヴァーですよね。

 M11「Surfin' Bird」というこのサーフ・ガレージの古典の元曲がロッキンR&BのM15「Papa-Oom-Mow-Mow」なのですから、目から鱗です(実際には、同じくThe Rivingtonsの「The Bird's The Word」(1963)を掛け合わせたものとのことです)。

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by chitlin | 2007-08-04 11:43 | Pop/Rock
 1966年に発売されたものの中からThe Beatlesの『Revolver』と並ぶ重要作の1枚と言えば、The Beach Boysの『Pet Sounds 』(1966)においてほかにありません。 

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 常日頃、ベース・ラインを追う習性があるために、本盤を聴き始めた当時にはそれがものの見事に裏目に出てしまいました。感覚的に居心地が悪いのなんのって、しばらくの間は違和感が絶えませんでした。

 そんな先入観を打ち負かし、今では決して飽きることのない愛聴盤であるのは勿論ことです。何度聴いても、いやむしろ聴けば聴くほどに新鮮に感じられます。

 特に前半の流れなどは冒頭のM1「Wouldn't It Be Nice」が高鳴る心臓を鷲掴みにし、間髪入れず清らかな調べのM2「You Still Believe In Me」に転じるといった具合に快調に滑り出します。

 止めは美しくも儚いM4「Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder)」でしょう。厳かで静謐なその佇まいに昇天すること確実です。

 そうかと思えば、後半にも寝た子を起こすが如きM8「God Only Knows」や11「I Just Wasn't Made For These Times」といった大波に見舞われ、ひとしきり心が洗われる思いです。

 何のことはない、全編に渡り聞きどころの雨あられという訳です。

 M13「Caroline No」がBrian Wilson名義で発売された事実を脇に置くとしても、この『Pet Sounds 』がThe Beach Boys名義の作品であることに若干の違和感を覚えずにはいられませんが、それもまたこの傑作が背負う宿命というものなのかも知れません。
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by chitlin | 2006-12-03 00:46 | Pop/Rock
 『Pet Sounds』(1966)発売30周年を記念した4枚組のボックス・セット『The Pet Sounds Sessions』(1997)の前フリとして発売されたのがこの7インチ・シングルです。

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 意外や意外、なぜかSub Pop Recordsからなのです。質の悪い冗談かとも思ってしまいましたが、 あのThe Beach BoysのレコードをあのSub Pop Recordsが発売するというのは、まさに青天の霹靂です。

 A面には正真正銘のステレオ版という新鮮な響きで以て迎え入れられる「I Just Wasn't Made For These Time(True Stereo)」を存分に堪能することが出来ます。

 B面の1曲目のM2「Wouldn't It Be Nice(Vocal Only)」は所謂Stack-O-Vocals版です。これまた目の覚める思いをさせられると同時に、人間の声の持つ魔力に酔いしれます。

 M3「Here Today(Session)」については、当然のことながら一発録りのバックトラックが収録されています。

 グループ内のいざこざが原因とされているようですが、結果的に大変貴重な音源満載の『The Pet Sounds Sessions』の発売延期の煽りを喰らってこのシングル盤は回収の憂き目に遭った訳です(チッ)。

 発売当時、完全に出遅れてはいましたが西新宿のとある輸入盤専門店に急行したところ、在庫は豊富だったようで手早く救出することが出来まして、事無きを得ました。

 そこは反骨精神の塊のような店舗ですので回収命令なんぞ屁の突っ張りにもならないことでしょう、パンクな姿勢は今も健在です。
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by chitlin | 2006-10-22 00:07 | Pop/Rock