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by chitlin
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あなたと死にたい私 (1998)

 本作は幻の名盤解放歌集*テイチクお色気編に当たる『あなたと死にたい私』です。また、これは内田高子を大きく扱った1枚でもあります。

あなたと死にたい私 (1998)_e0038994_21315550.jpg

 “すべての音盤はすべからくターンテーブル上(CDプレーヤー内)で平等に再生表現される権利を有する”

 この宣言通り、この世の果てに打ち捨てられた特異な歌謡曲の亡骸を掬い取るべく活動に勤しむ幻の名盤解放同盟。

  “世界はお色気のうっふんの“う”と“ふ”の間の“っ”にすぎない”というのもけだし、名言です。

 反則技すれすれの業が深い歌謡曲の一大絵巻として彼らが丹精込めてまとめ上げた編集盤シリーズを採り上げて行きます。

 まずは肝心の内田高子の『あなたと死にたい私』自体についてです。今の耳で聴いてみますと、解説にあるような“海綿体がほどよく膨らむ”などということは個人的になかった訳です。
 ネグリジェをステージ衣装としたことからネグリジェ歌手と呼ばれたものの、ピンク女優へと転落転身し結果的に映画の世界で人気を博したそうです。その引退直前のアルバム作品というのが本盤の核を成しています。

 流石にいくつか挟み込まれるナレーションは際どいものなのですが、それでも下半身に流れる血液を沸騰させる威力はなかったようです。

 これというのも最後に3曲固めて池玲子の楽曲が収録されているせいもあるのでしょう。むせ返るようなフェロモン歌謡の真骨頂を目の当たりにしてしまうとブランデーも薄味に聞こえます。
 決まり手は池玲子の諸差しから寄り切りならぬ豪快な吊り落としでしょう。

 "夜のワーグナー"こと藤本卓也作品を歌う岸ユキは、テレビ・ドラマ『サインはV』のキャプテン役を演じていたとのことです。お色気歌謡というよりガール・ポップという側面をも見て取れます。

 今をときめく梶芽衣子については、大野雄二作曲・編曲というレア・グルーヴ(?)に物騒な歌詞を乗せた2曲が収録されています。やさぐれた歌い口で情念を燃やし、凄みは勿論、貫禄も満点です。



 収録曲は以下の通りです。

 内田高子『あなたと死にたい私』(1970)
 M1オープニング
 M2「あなたと死にたい私」
 M3ナレーション
 M4「ベッドで煙草を吸わないで」
 M5ナレーション
 M6「いいじゃないの幸せならば」
 M7「夜と朝の間に」
 M8ナレーション
 M9「チェリー・ブランディー」
 M10ナレーション
 M11「噂の恋」
 M12「私もあなたと泣いていい」
 M13「ひとり寝の子守唄」
 M14クロージング
 M15「しおふき小唄」窪園千枝子 [コーラス:ハニー・ナイツ] (1975)
 M16「ほんとの恋」もとい夢魔 (1970)
 M17「めまい」岸ユキ (藤本卓也 作詞/作曲) (1970)
 M18「傷つく前にさよならを」岸ユキ (藤本卓也 作曲) (1970)
 M19「はぐれ節」梶芽衣子 (1973)
 M20「牙のバラード」梶芽衣子 (1973)
 M21「めまい」池玲子[スキャットウィルビーズ] (1971)
 M22「恋の奴隷」池玲子 [スキャットウィルビーズ] (1971)
 M23「天使になれない」池玲子[スキャットウィルビーズ] (1971)
by chitlin | 2006-06-10 22:43 | J-Pop