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by chitlin
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Mendez Trio / Trio (1976)

 メキシコ出身の3兄弟ピアノ・トリオ、Mendez Trioのアルバムを聴いてみました。

Mendez Trio / Trio (1976)_e0038994_190940.jpg

 詳細を知らずして、とある店頭の手書きPOPに導かれ購入と相成りました。
 ブラジリアン・ジャズ・ボッサだとかブラジリアン・フュージョンだとかメロウ・ブラジリアンだとかメキシコ産のボッサ・ジャズだとか言いたい放題の甚句に躍らされてしまった訳ですが、結果的に思わぬ拾い物でした。

 確かにその出身地や野暮ったいジャケット・デザインからは想像もつかないほどに軽やかで爽やかな肌触りを感じさせてくれる全7曲です。

 通低音として全体を支配するフェンダーローズの微かに揺れる音色に惹き付けられてしまいます。

 程よく激しく、時には滑らかにと緩急をつけながら盛り上げて行くM2「Dagadu」を聴くことで本作への期待感が一層、高まります。

 どこまでも涼しげなM3「Alegrias 」では、ゲストの女性ヴォーカリストのスキャットと透明感溢れるフルートが織り成す洗練され具合に、今度は思わず胸の鼓動が高まります。

 三連符が柔らかに刻まれるM5「Los Nicos Del Nopal」がこれまた、大変に可愛らしい1曲です。小動物が跳ね回るかのように木琴が活躍し、意外と後を引くというか本作中の白眉でしょう。

 M6「Quetzalcaotl」では歯切れの良いホーンを絡ませジャズ・ファンクとしてじっくりと展開し、アルバム後半の流れを引き締めます。

 M7「Pepes Y Chelas」で響くボサ・ギターの音色は何とも魅惑的でして、休日の午後に実にぴったりです。

 今回のCDでの再発売の企画にはディスク・ユニオンが絡んでいるらしいです。
 従って追加プレスなぞは見込めないことでしょうから、一先ずは購入してみて損はなかったと改めて自分に言い聞かせるまでもないほどの当たりを引きました。
by chitlin | 2006-07-15 19:00 | Jazz