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by chitlin
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The Knight Brothers / Temptation (2004)

 1965年にM15「Temptation 'Bout To Get Me」というヒット曲を放ったデュオ、The Knight Brothersについてです。

The Knight Brothers / Temptation (2004)_e0038994_055248.jpg

 平たく言うと一発屋なのですが、こうしてMercury Records音源まで掻き集められただけあって、いかに秘められた実力を備えたデュオであるかを容易に俯瞰することが出来る訳です。

本作は、Chess Records傘下のChecker RecordsとMercury Recordsに残したシングル両面曲を概ね隈無く収録したうえに、片割れのJames Diggsが平行して在籍したヴォーカル・グループ、The Carltons名義の8曲をも含む編集盤です。

 ワシントンDC出身のこの2人は実際には兄弟ではないのですが、幼い頃からゴスペルを歌い始めていまして、1950年代半ばからヴォーカル・グループを結成して活動して来たそうです。
 
 R&Bが元来持ち合わせる無骨さを滲ませつつも、ゴスペルという下地を活かしてその辺を上手く転化させた迫力のアーリー・ソウルっぷりが魅力です。いずれにせよ、とどの詰まりはディープな持ち味が十二分に発揮されています。

 やはり、件のM15「Temptation 'Bout To Get Me」以降から俄然、ソウル・ミュージックとしてまとまり始めています。B面曲は続くM16「Sinking Low」でありまして、どちらもJames Diggs単独作です。
 このシングル作に限らず、歌い手である彼ら自身が詞曲を手掛けている比率が高めであることも特長です。

 M7〜M14のThe Carltonsの音源は時期的にThe Impressionsの体裁を踏まえたシカゴ・ソウル風味満載の塩梅を楽しむことが出来ます。

 こうした良質なソウル・ミュージックの復刻がイギリスから為されるということが何とも皮肉めいています。
by chitlin | 2006-08-26 00:06 | Blues/R&B