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by chitlin
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Pixies / Doolittle (1989)

 まずはアメリカのCMJにおいて人気を博したのが2作目、『Doolittle』(1989)です。見てくれが野暮ったいPixiesのような連中においても、4ADはジャケット・デザインまわりに関して細やかに神経を使ってくれています。

Pixies / Doolittle (1989)_e0038994_23592498.jpg

 Steve Albiniが関わった『Surfer Rosa』(1988)後、ここに来て“始めはソフトに静かに、次にラウドにハードにというダイナミクス”(© Kurt Cobain)とされる典型がM1「Debaser」やM4「I Bleed」、M15「Gouge Away」などで鮮やかに確立されています。

 また、それ以上に皮膚を突き刺すような狂気が全体を覆っていまして抜き差しならない緊迫感に繋がっています。

 お気に入りのM1「Debaser」のサビにおけるKim Dealの歌声も交えたつくりについては、敢えて言えば可愛らしささえ感じてしまします。

 M2「Tame」がこれまた加速度的に暴走する物騒な1曲です。狂気を無理矢理押し殺したようなひら歌から一転、こめかみの血管がぶち切れんばかりに雄叫び発し、烈火の如く吠えるという危険球。
 大鉈を振るうようなギター音にも痺れてしまいます。

 これら冒頭の2曲で聞き手の耳を鷲掴みした後には緩急をつけた構成が巧い塩梅であります。
 以降、スパニッシュ風味あり毛色の変わったM14「Silver」ありと、どれも尺が短く剥き出しの生命力に溢れる全15曲です。

 ポップなM5「Here Comes Your Man」とM10「La La Love You」に対しては以前だと殺伐とした周囲から浮き上がっている印象を受けていたものの、改めて聴いてみますと程よい軽さが心地良くさえ感じられます。

 その一方で、ささくれ立った切れ具合を保つM6「Dead」やらわずか1分半未満で駆け抜けるM9「Crackity Jones」における際どい凶暴性も斬新です。

 人気曲のM7「Monkey Gone To Heaven」ではストリングスを被せることで荘厳な雰囲気すら漂います。
 重厚な音の重なりに身を委ねていますと雲の隙間から光りが差し込む様子すら連想してしまいますが、Black Francisの絶叫によって空間を切り裂かれ我に返るといった始末です。
by chitlin | 2007-02-11 00:09 | Pop/Rock