Jr. And His Soulettes / Psychodelic Sounds (1971)
2007年 02月 13日
ジャケット写真の通り、幼い少年少女が嬉々として自作自演する体当たりな1枚です。
手持ちのCDにはブックレットがない代わりに裏ジャケットにこのグループの略歴が掲載されています。
長男のHarold Moor, Jr君はギターと歌を担当する1961年生まれの10歳でして、曲作りもやってのける快活な男の子です。
以下、オルガン2台とドラムス担当の妹たちが9歳、7歳、6歳と家庭の事情も見え隠れする惑星直列並みの編成ではあります。
全17曲中、M2「Momma, Love Tequilla」とM5「Love From Above」、M9「Sweet Little One」にM12「Rock 'n Roll Santa 」やM14「Pop Junior Pop」以外は歌が入らないことも手伝いまして何度聴いても収録曲がどれもこれも同じようにしか聞こえません。
Harold君謹製の楽曲群はどうも曲調やコード進行などが似通っていますし手癖のフレイジングでも何でもワウ・ペダルを踏みっ放しということもあるのですけれど、それ以上にドラマーのJacqueln Carolちゃんが懸命に入れるおかずが変わりばえしないためでしょう。ここぞとばかりに決めるフィルインが永久に同じなのです。
言わばRamonesも真っ青の金太郎飴状態です。
それはともかく、粘り気のあるワウワウ・オルガンもなかなか個性的なために奇天烈なファンキー度が更に倍増するといった塩梅です。
一歩間違えると巷に溢れるグルーヴ感を売り物にしたサウンド・トラック盤に紛れ込んでいましても何ら違和感のないノリを計らずも獲得している訳です。
彼らのそんな拙い演奏はR&Bからは逸脱しているのかも知れませんが、何と言っても微笑ましい限りです。