Faine Jade / Introspection: A Faine Jade Recital (1968)
2007年 04月 09日

手持ちのCDはRadioactive Records盤です。何でもこのRadioactive Recordsが“消滅”してしまったそうです。
正規の手続きを踏んで来なかったということでしょうか。
裏ジャケットは従来通りにアナログ盤から転載したと思しきデザインでして、ふたつある追加収録曲については一切の情報がありません。まぁ、Sundazed Music盤を参照すれば解決することではありますが、そういう問題じゃないだろという訳でもありますね。
一聴して勢い任せの面が強く、怪しさ満点といった具合のサイケデリック・ロックなんですけれど、どこかひと味違うのはFaine Jadeなる人物がアメリカ東海岸はボストン出身だからでしょうか。
唐突にオーケストラのチューニング風景から始まるM1「Doctor Paul Overture」に続いて、土着的なリズムがうねるM2「People Games Play」では、幻覚でも見ているのかと思うほど麗しい旋律が炸裂します。ただし、終わり際に挿し込まれる女性による絶叫に思わず身震いです。
気怠さが良い方向へ作用しているM3「Cold Winter Sun Symphony In D Major」などにはなかなかに内容が充実しているんじゃないかという予感が。
と、聴き進めて行くとやはり収録曲がどれも親しみ易いんですよ。勿論、ポップと言っても人によって程度の差がある訳ですけれども。
何だかこう放ってはおけない気持ちが芽生えてしまうんです。何だろこれって、と思ったそばからピンと来たのがSyd Barrettです。確かに歌声が似ています。
無理矢理なことを言ってしまえば、Syd Barrettが『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』(1967)の世界で遊んでいるのをぼんやりと眺めているような面白さがありますよ。
下記の2曲は追加収録されたものの、ここではその詳細が不明です。
M11「Love On A Candy Apple Day」はズバリ「Mellow Yellow」Donovanを彷彿とさせる1曲です。シングル曲か何かなんでしょうか。(←な、情けない)
続く12「It Ain't True」はガレージ・バンドが遮二無二に頑張っているような姿が目に浮かぶ佳曲なんです。