Hey Ho Let's Go!


by chitlin

2006年 08月 28日 ( 1 )

 まさしく面白半分で手を伸ばしてみたという懐かしさを煽るだけのお手軽企画盤と思いきや、さにあらず。徹頭徹尾プロフェッショナルな編集と解説に思わず頭が下がる力作です。 

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 一度耳にしたら忘れられないサビを持つM19「ぼくの先生はフィーバー」は、『熱中時代』(1978)の主題歌です。原田少年が健気に歌う一方で、ベースラインが粘り腰を見せるファンキーな1曲です。

 そのサビが大変強烈であるが故に、ほかの部分がすっかり抜け落ちていまして、初めて聴くような新鮮な気持ちで接することが出来ます。そのうえ情けないことにこんなあまりにも直球の表題であることを初めて知りました。

 続くM20「やさしさ紙芝居」は続編の『熱中時代(教師編)』(1980)の主題歌です。
 どの回のどの場面といった詳細はまったく記憶にないものの小学校中学年当時、テレビドラマを観て初めて涙したことだけははっきりと憶えています。余程のことですので、最終話を観てのことだったのかも知れません。 

 そのこと以上に、本盤の微に入り細に入るブックレットを何気なく読んでいましたら、松本隆がこのM20「やさしさ紙芝居」の作詞を担当という驚愕の事実に直面しまして、度肝を抜かれました。

 出だしの台詞“ビー玉 ベーゴマ 風船ガムにニッキと”云々やBメロの“人生なんて紙芝居だと 涙も笑顔も続きは明日 時って言う名の自転車こいで”に対して当時から妙な引っ掛かり方をしていたのです。また、様々な場面で不思議としょっちゅう口ずさんでいた訳でもありました。そして、遅まきながらはっぴいえんどを聴き始めたのが確か20代半ばです。

 計らずとも、その15年前から(厳密に言えばそれ以前からアイドル歌謡を通して触れていたはずですが)彼の詩世界に感じ入るものがあったという訳です。
 
 M21「ヒーロー  Holding Out For A Hero」は、ご存知永久不滅の熱血青春ドラマ『泣き虫先生の7年戦争 スクール☆ウォーズ』(1984)の主題歌です。この楽曲のフルコーラスを聴くことが出来るとは何とも感慨深いものがあります。

 1984年と言うと13歳、中学校1年生の時分です。この小学校卒業から中学校入学にかけての時期というのが個人史的にも生涯忘れ去ることのない大打撃を身内から見舞われたということがありまして、まったく以て複雑な心持ちにさせられます。 

 特にこの『スクール☆ウォーズ』については事細かに隅々まで鮮明に記憶していますと言いたいところですが、今ではすっかり記憶も曖昧です。とは言え、毎週日曜日の夜にテレビにかじり付いて食い入るように観ていた訳ですから、懐かしさよりも生々しさが脳細胞に宿っているとも言えそうです。

 “この物語はある学園の荒廃に戦いを挑んだ熱血教師たちの記録である”という不穏に響くナレーションや“オールフォーワン ワンフォーオール”という決めの言葉。
 “川浜一のワル”という格好悪くて格好良い肩書き。
 試合にならなくて「悔しいです!!」と泣き叫ぶラグビー部員たちを滝沢先生が号泣しながら容赦なく殴りつける光景。
 梅宮辰夫と和田アキ子という世界最恐最強のご夫妻やら瀕死のイソップが描き上げたライジング・サンのマークなどなどが今以ていちいち網膜に焼き付いている訳です。

 M9・M23「時代遅れの恋人たち」は『ゆうひが丘の総理大臣』(1978)の主題歌です。この場合、聞き慣れたテレビサイズのM23の方がはるかに耳馴染みが良いものです。
 中村雅俊の軽めの歌を活かす筒実京平作曲にして、躍動するリズムとそれに被さるように駆け巡るストリングスが印象的です。

 この番組の場合ですと当然、再放送を視聴していたはずでして子供心に高校生のことをはるかに年上の存在だとして対岸の火事のように眺めていました。
 このように遠巻きに接してはいたものの、野性味溢れるソーリ役の中村雅俊以下、錚々たる出演者陣に圧倒されてしまいます。学生服姿の藤谷美和子が初々しいものです。

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by chitlin | 2006-08-28 01:54 | Soundtracks